Power Automate 「Excel Online (Business) スプレッドシートで稼働時間を追跡」テンプレートの利用方法
Power Automateには多くのテンプレートが存在するため
これを探して流用すると効率的にPower Automateを利用できます。
「Excel Online (Business) スプレッドシートで稼働時間を追跡」は
モバイル端末でボタンを押すとその時刻がOffice365のExcelに記録されるテンプレートです。
使い方は任意ですが、勤怠記録を想定しているテンプレートです。
この記事では、このテンプレートの使い方を紹介します。
前提条件
- モバイル端末に「Microsoft Flow」のインストールが必要です。
- 「Microsoft Flow」へのプッシュ通知の許可が必要です。
手順
まず記録用のExcelブックとテーブルを用意します。
DateとTimestampという項目名を用意します。この項目名は変えても構いません。
テーブル名は任意ですが今回は「基本テーブル」としています。
次にPower Automateの画面の「テンプレート」から
「Excel Online (Business) スプレッドシートで稼働時間を追跡」を選択します。
かなり奥にあるため探すより検索する方が早いでしょう。
同名のテンプレートが二つありますが、違いは記録完了後に通知が表示されるか否かです。
今回は右の方、通知のある(赤い通知マークのある)テンプレートを使用します。
下のような画面が表示されます。
フローの接続先は基本的にログインしているアカウントになります。
表示されているアカウントの内容で良ければ、「続行」をクリックします。
別アカウントのOneDriveに切り替える必要がある場合は
「…」ボタンより「新しい接続先を追加」でログイン情報を入力する必要があります。
「Add a row into a table」を開きパラメーターを設定します。
項目 | 必須 | 説明 |
---|---|---|
場所 | ● | 接続可能なOneDriveとSharePointの一覧が表示されるので その中から記録するテーブルのあるファイルを選択。 |
ドキュメントライブラリ | ● | OneDriveの場合OneDrive、SharePointの場合、ドキュメントを選択 |
ファイル | ● | 右のディレクトリアイコンのピッカーでファイルを選択。 ファイルパスに見えますが、表示だけで中身はIDです。 指定ファイルを削除してから、同名ファイルを作成しても別として扱われてしまいます。(再指定が必要) |
テーブル | ● | 「ファイル」の中に存在するテーブルの一覧が表示されるので 記録するテーブルを選択します。 こちらも名前でなくIDのため一度テーブルを削除して 同名テーブルを作成しても別として扱われます。(再指定が必要) |
DateとTimestampはテーブルを指定した際に、テーブルに属する項目が追加表示されます。
初期状態では動的なコンテンツのDateとタイムスタンプが指定されますが、
日本時間ではないため以下のように設定変更する必要があります。
動的なコンテンツでなく式で以下のように指定します。
項目 | 指定 |
---|---|
日付(Date) | formatDateTime(convertTimeZone(utcNow(), 'UTC', 'Tokyo Standard Time'), 'yyyy/M/d') |
時刻(Timestamp) | formatDateTime(convertTimeZone(utcNow(), 'UTC', 'Tokyo Standard Time'), 'H:m') |
指定のMやHは大文字小文字が区別されるので、そのままコピーしてください。
最後に「Send me a mobile notification」のTextに任意の完了メッセージを設定します。
これでフローを保存ボタンで保存すれば設定完了です。
次にこのフローを起動します。
それにはモバイル端末の「Flow」を起動し「ボタン」より
「Excel Online (Business) スプレッドシートで稼働時間を追跡」をタップします。
(フロー名を変えている場合は、そのフロー名)
記録が完了するとモバイル通知が表示されます。
Excelブックを開くと日時が記録されています。
応用(出退勤種別と備考欄)
少し実務で使うようにカスタムしてみます。
- 出退勤の別を選択
- 備考欄で任意入力
- 日付と時刻を一つのセル(ここは一つにしないほうが都合がよいですが、利用方法の説明の一環)
テーブル名は任意ですが今回は「応用テーブル」としています。
「手動でフローをトリガーします」を開き、「入力の追加」をクリックします。
「ユーザー入力の種類の選択」で「テキスト」を選択します。
項目名が「入力」となっているので「出勤/退勤」に変更します。
右の「…」ボタンより「オプションのドロップダウンリストを追加する」を選択します。
項目名の右の「入力を指定してください。」は説明文なので調整します。
更にオプションのドロップダウンリストは選択肢です。
「出勤」と「退勤」の項目を用意します。これがこのままExcelに記録されます。
同様にもう一つ「テキスト」の入力項目を追加します。この項目は備考欄にします。
初期状態のままでは入力必須なため任意項目に変更します。
それには右の「…」ボタンより「フィールドをオプションにします」を選択します。
次にExcelへの記録を設定します。
「Add a row into a table」を一度削除して「表に行を追加」を追加します。
先ほどと同様にテーブルまでの設定を行います。
項目の設定を行います。まず日時には式で下のように設定します。
formatDateTime(convertTimeZone(utcNow(), 'UTC', 'Tokyo Standard Time'), 'yyyy/M/d H:m')
「出勤/退勤」と「備考」には動的なコンテンツを指定します。
これで保存すればフローの設定は完了です。
モバイル端末の「Flow」を起動し「ボタン」より
「Excel Online (Business) スプレッドシートで稼働時間を追跡」をタップします。
変更前ではそのまま記録されましたが、変更後のフローは入力画面になります。
まず出勤/退勤をタップして選択します。
「出勤/退勤」を選択して「完了」をタップすれば記録されますが、
今回は備考欄も入力してから「完了」します。
それにより「出勤/退勤」と「備考」も含めてExcelに記録されます。
Power Automateを効率的に習得したい方へ
当サイトの情報を電子書籍用に読み易く整理したコンテンツを
買い切り950円またはKindle Unlimited (読み放題) で提供中です。
Word-A4サイズ:1500ページの情報量で
(実際のページ数はデバイスで変わります)
基本的な使い方から各トリガー/アクションの詳細な使い方、
頻出テクニック、実用例を紹介。(目次)
体系的に学びたい方は是非ご検討ください。
アップデートなどの更新事項があれば随時反映しています。(更新履歴)
なお購入後に最新版をダウンロードするには
Amazonへの問い合わせが必要です。