チャットツールについて。利点・欠点・運用方法
コロナの影響で業務にチャットツールの導入が増えています。
Slack、Teamなどツールは色々ありますが、
この記事では共通した特徴(利点と欠点)、
実務での運用方法・改善案などを記述していきます。
なお筆者個人としては課題への対処をした上でのチャットツール推奨派の立ち位置です。
特徴(利点と欠点)
共通して以下のような特徴が見受けられます。
利点
- 議論の流れを追跡しやすい。
- 最初にチャットの設定さえすれば発言のハードルと手間が少なく正確。
- メールアドレス間違いによる誤送信リスクがない。
欠点
- 口頭や会議に比べて、スムーズさに欠ける。
- タスクの依頼が発生する場合や結論が曖昧になりやすい。
- 複数のチャットツールが乱立による付加増と情報の混乱。
利点は多いですが、欠点も多いです。
利点の詳細
①議論の流れを追跡しやすい。
全てチャットで発言した場合は何時、誰が、何を言ったかが文章で残るため
従来型の議事録が不要になります。(後述しますが結論は整理するべきです)
会議(オンライン含め)の録音も可能ですが、
それよりはるかに追跡しやすいものになります。
②最初にチャットの設定さえすれば発言のハードルと手間が少なく正確。
メール送信に比べて軽いハードルでコミュニケーションが可能です。
(軽さが問題になる場合もありますが)
また会議では声の大きさで他の人の発言をかき消すことが出来ますが、
チャットであればその要素を無視しやすく
引っ込み思案なタイプの人の発言も引き出しやすいです。
更に口頭よりも文章にした方が慎重で、明確な発言になります。
発言が増えて収集がつかなくなるケースもあり得ますが、
それは通常の会議でも起こり得る問題で
それまでの会議が特定のメンバーの発言に流されるだけの会議であったり、
もっと細かいレベルで課題整理をするべきでしょう。(人数が無意味に多すぎる会議)
③メールアドレス間違いによる誤送信リスクがない。
チャットでは送信先が固定のため他の会社に誤送信というリスクが少ないです。
誤送信が問題になるのは多数の会社の人とやりとりする人ですが、
それはチャットツールが乱立しやすい問題とトレードオフでもあるため
バランスを考慮して運用を決める必要があります。
欠点の詳細
①口頭や会議に比べて、スムーズさに欠ける。
慣れないうちは口頭よりスムーズさに欠けます。
ただし精度は高さとのトレードオフであるため、慣れで解決するしかありません。
最初は通話・オンライン会議と織り交ぜながら
徐々にチャットの比率を大きくしていきましょう。
(緊急は通話のほうが良い場合も多いですが)
ネット黎明期からインターネットを経験している層やITリテラシーの高い層、
デジタルネイティブなどとは親和性が高いため、なんにせよ時間の問題ではあると思います。
②タスクの依頼が発生する場合や結論が曖昧になりやすい。
口頭でも発生する問題ですが、チャットツールでこれが起こると槍玉にあがりやすいです。
(コミュニケーションのハードルの低さが招く場合もあります)
口頭でも同じですが、「誰が何を何時迄に実施する」か、
「決定事項」は最終的に整理する必要があります。
③複数のチャットツールが乱立による付加増と情報の混乱。
おそらく多くの企業で発生したのではないかと思います。
顧客に合わせてチャットツールが乱立すると色んなツールに情報が拡散します。
重要な依頼などで抜け漏れが発生すると特によろしくないです。
チャットツール推奨派の立ち位置としても、
その場合は対外的なやりとりではチャットツールを使わないか
利用可能なものを制限をしたほうがよいという意見です。
有効な運用例
色んな業界や企業の特性があるため、一つの正解はありません。
それぞれの業務において最適解がありますが、一例として紹介します。
「議論」と「依頼・結論」は分けてファイル管理
口頭でもそうですが、決まったことはWordやExcelなどファイルに整理して残しましょう。
そしてそのファイルが行方不明になるのを防ぐため暗号化してメールで送信するか、
チャットツールに議事録や依頼などファイル専用のチャネルを作りましょう。
(そこにないと有効ではないというルール決めが必要)
何らかの依頼が発生する場合は誰が何時、何をするかをファイルにまとめて残します。
バックログやPlannerなどのタスク管理ツールでもよいです。
定期的に発生する依頼は契約書的にフォーマットを作るのも有効です。
議事録や依頼を記入するのは最も権限の強い人や責任のある人がスムーズです。
顧客がいる場合は議事録を作ってもらうのは難しいため、
その場合、顧客の権限の強い人物の議事録の承認をとりましょう。
(出来ればメールで明確に)
日本では新人に議事録を付けさせる風習がありますが、
個人的には人材育成としても非効率でハラスメントの温床という考えです。
業務開始報告や体調不良、遅刻などの連絡はチャットで行う
コロナの影響で改善されつつありますが、
日本企業には発熱していようが、台風や大雪だろうが、
エクストリーム定時出社を美徳とする
文化・風習・価値観が老人を中心に残っています。
よって、その手の連絡は心理的なハードルが高いため
心理的ハードルが低いチャット(できればグループチャット)にしましょう。
電話で時間を取るのもメール振り分けが発生するのも非効率です。
もし体調不良連絡などを電話にこだわる企業は
「わが社は昭和のハラスメント企業」という宣言でしかありません。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません