【新人SE&学生さん向けコラム】情報システムに関わる人のキャリアの方向性(キャリアパス)について

2021年10月18日

主に基幹業務システムの開発と新人プログラマのOJTに20年ほど関わった観点から

IT業界未経験または新人さん向けにシステムエンジニアのキャリアについて概要を記述します。

(実際はもっと細分化され、情報処理技術者試験の試験区分のような状態になります)

説明

大まかには技術(テクニカル)を主軸にする人と、

ITで何をするか(ビジネス)を主軸にする人がいます。

多くの場合、最初はテクニカル(初歩的なプログラミング)から入り、

テクニカル方面(より高度なプログラミングや周辺技術)を主軸にするか、

ビジネス方面(顧客やサービス開発、プロジェクトマネージャー)を主軸にするか、

間を取るようなケースをもあります(ITアーキテクトなど)。

(なお職種の呼び方や定義は会社によって様々です)

テクニカル

特徴

  • 技術的に簡易な部分は、新人にプログラミングが任せられることが多い。プログラミングが日本で低く見られることがあるのは、テクニカルがさほど必要でなかった昭和の名残。
  • 高度なものはデータベースやネットワーク、高度なプログラミング(API接続、高処理負荷、高セキュリティなど)が存在
  • 日進月歩で時に大激変するため、高度なものは一定の経験を詰んだ若手に最適(生涯現役で学び続けるエンジニアもいる)
  • 受託開発の会社では希少なため競争は少なく生き残りやすいが、高く評価されないことも多い(ビジネロジック側の人間が主流で評価軸が定義できない場合)

軽視する弊害

  • 根本的に何も作れない。
  • 作成した企画・提案が非現実的なものになる。
  • セキュリティが甘く、事件が発生
  • 画面が重く、使い物にならない。計算が遅すぎて業務が止まるなど(銀行だとATM停止など大きな事態になる)
  • 新しい技術に対応できない

ビジネス

特徴

  • 業務知識とも。ユーザへの表示、会計や証券の損益計算など多岐に渡る。
  • 何かを作ることよりも交渉や組織管理が多くなる
  • どのような計算が必要か、どのように表示すればいいかなどは、テクニカルよりも顧客側の業務やコミュニケーションの場数が必要なため、プログラミングの前の設計段階(どのようなシステムを作るか)をベテランが担当することが多い。

軽視する場合

  • 開発コストだけ積み重なって、役に立たない。
  • 受託開発の場合、顧客とコミュニケーションが成立しない

どこを主軸するか

どちらかを軽視すると支障が大きいですが、主軸をどちらかにするかはあり得ます。

組織としては、どちらの軸足の人間を多くするか、或いはバランスをよくするかを考え、

個人の場合は会社のキャリアパスを見つつ、自分の軸足を決めていくことになります。

しかしキャリアが浅いうちに決めるのは正直難しいため

よって仕事を経験するうちに軸足を決めていくのがよくある流れです。

概ね理系の勉強をしていた人はテクニカル、文系はビジネスが向いていますが、

これも絶対的にそうというわけではありません。

逆に言うと理系の人はビジネス、文系の人はテクニカルを補強する必要があります。

この区分を情報処理技術者試験にあてはめるとこのような感じになります。

(資格としては微妙ですが概念やカリキュラムは非常に参考になります)

領域該当する試験区分
テクニカル寄りネットワークスペシャリスト
エンベデッドシステムスペシャリスト
中間基本情報技術者
応用情報技術者
データベーススペシャリスト
情報処理安全確保支援士
システムアーキテクト
ITサービスマネージャ
ビジネス寄り(開発者)ITストラテジスト
プロジェクトマネージャ
システム監査技術者
ビジネス寄り(利用者)ITパスポート
情報セキュリティマネジメント

データベーススペシャリストとITアーキテクトは技術寄りな印象を受けますが、

実態は結構、ビジネス要素があります。

テクニカル寄りが少ないのは日本が受託開発中心で技術を軽視してきたことや

ベンダー資格がそこを担っているなど事情があります。

終わりに

以上、大まかな方向性の話題でした。

これを読む皆様が今後どうするかは、すぐに決めるのが難しいと思います。

何故なら今後、経験する仕事にも寄りますし、

人が将来的にどの領域に興味が向くかは予測が出来ないためです。

(自分も仕事をしているうちに指向性が変わっていきました)

よって焦らずに3~5年ほどかけて考えて行くくらいで丁度よいと私は新人さんに説明しています。

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