【AIとシステム開発】ChatGPTとGitHub Copilot、SEはどっちを使うべき?使い分けの極意

システムエンジニアのためのChatGPTとGitHub Copilotの比較と賢い使い分けを表すイメージ画像

システムエンジニアの皆さん、AIの波は確実に私たちの仕事を変えていますね。ChatGPTやGitHub Copilotなど、高性能な生成AIツールが次々と登場し、その便利さに驚いている方も多いのではないでしょうか?

しかし、いざ使ってみると、 「結局、どっちのAIをどんな時に使えば一番効果的なの?」 「なんか、思ったようなコードが出てこないんだけど…」 「AIって、本当に自分の仕事を楽にしてくれるの?」 といった疑問や壁にぶつかることもあるかもしれません。

本記事では、20年以上のシステム開発経験を持つ私が、日々の業務で実感しているChatGPTとGitHub Copilotの「賢い使い分け方」と、その極意を解説します。AIを単なるツールではなく、あなたの「最強の相棒」にするためのヒントが満載です。


1. ChatGPTとGitHub Copilot、それぞれの「得意技」を知る

まず、この2つのAIツールがそれぞれどんな特徴を持ち、どんな場面で真価を発揮するのかを理解しましょう。

1.1 ChatGPT:対話で「思考」を拡張するAIアシスタント

ChatGPTの対話インターフェースの画面例

ChatGPTは、まるで人間と話すかのように、自然言語で対話ができる生成AIです。 その最大の特徴は、「文脈を理解し、継続的な議論が可能」な点にあります。

ChatGPTの主な得意技:

  • 質問応答と技術サポート: プログラミングの疑問、エラーの原因、新しい技術概念の説明など、幅広い技術領域をカバーします。
  • 設計の相談とアイデア出し: システムのアーキテクチャ設計、技術選定、問題解決のための多角的なアプローチを提案してくれます。
  • 文章生成と要約: 仕様書の下書き、報告書の骨子、会議の議事録要約など、ドキュメント作成の強力な味方です。
  • エラー解析とデバッグ支援: エラーメッセージやコードを渡すと、原因を分析し解決策を提示してくれます。

SEの活用イメージ: 「要件定義フェーズで、顧客の曖昧な要望を具体的な機能に落とし込みたい」「新しいフレームワークを学ぶために、実装例やチュートリアルが欲しい」「システム設計の最適なパターンについて相談したい」といった、思考を深めたり、知識を得たり、アイデアを広げたりする場面で特に力を発揮します。

1.2 GitHub Copilot:コードを「爆速」で生成するAIペアプログラマー

Visual Studio Code上でGitHub Copilotがリアルタイムでコードを補完・提案している画面例

GitHub Copilotは、あなたの統合開発環境(IDE)に直接組み込まれるAIです。 リアルタイムでコードの補完や提案を行うことに特化しており、まさに「AIペアプログラマー」と呼ぶにふさわしいツールです。

GitHub Copilotの主な得意技:

  • リアルタイムコード補完: 関数名やコメントから、次に書くべきコードを予測して提示します。
  • 関数・メソッドの自動生成: コメントで「〇〇する関数」と書けば、関数全体の実装を提案してくれます。
  • 定型処理の自動化: データベースアクセス、API呼び出し、ファイル操作など、繰り返しの多いボイラープレートコードを素早く生成します。
  • 既存コードのパターン学習: プロジェクト内のコーディングパターンを学習し、それに合わせた精度の高い補完を行います。

SEの活用イメージ: 「とにかく手を動かしてコードを書きたい」「テストコードを効率よく作成したい」「既存のコードに似た処理を素早く実装したい」といった、具体的な実装作業を加速したい場面で絶大な威力を発揮します。


2. 「最強の相棒」にする!賢い使い分け戦略と連携術

ChatGPTとGitHub Copilotは、どちらか一方を使うのではなく、それぞれの得意技を理解し、開発プロセスの異なる段階で連携させることで、真の力を発揮します。

2.1 開発フェーズごとの使い分け

AIを活用したシステム開発では、以下のような流れで両ツールを使い分け、連携させることが効果的です。

  • 企画・設計段階(ChatGPTが主役)
    • 要件定義支援: 顧客の曖昧な業務要件をChatGPTと対話しながら具体化し、エッジケースの洗い出しや技術的課題を特定します。
    • システム設計相談: アーキテクチャの検討、技術選定、潜在的な問題点の指摘、代替設計パターンの提案などをChatGPTに相談します。
    • 新技術の学習: 新しいフレームワークやライブラリの習得、概念理解のための具体例生成などにChatGPTを活用します。
  • 実装段階(GitHub Copilotが主役、ChatGPTが補助)
    • 高速コーディング: 具体的なコーディング作業はGitHub Copilotに任せ、定型的な処理やテストコードを効率的に生成します。
    • エラー解決・デバッグ支援: 実装中に発生したエラーの解析やデバッグ支援は、ChatGPTに詳細なエラーメッセージとコードを提供して解決策を提示してもらいます。
    • コードレビューの補助: 実装したコードの品質改善提案や、特定のパターンの確認をChatGPTに依頼することも有効です。

2.2 効果を最大化する連携ワークフロー

「企画・設計はChatGPT、実装はGitHub Copilot」というシンプルな使い分けに留まりません。両者をシームレスに連携させることで、開発効率はさらに向上します。

  1. ChatGPTで設計方針を固める: アプリケーションの全体像や、特定の機能のロジックについてChatGPTと深く議論し、最適な設計案を導き出します。
  2. GitHub Copilotで設計をコードに落とし込む: 固まった設計方針に基づき、IDE内でGitHub Copilotを使って具体的なコードを生成します。関数名やコメントで意図を明確に伝えれば、Copilotが意図を汲み取ったコードを提案します。
  3. ChatGPTで生成コードをレビュー・改善: Copilotが生成したコードについて、可読性、パフォーマンス、セキュリティなどの観点からChatGPTにレビューを依頼し、さらに改善を重ねます。
  4. 再びAIと対話して課題を深掘り: 生成されたコードのテスト中に新たな問題が見つかったり、設計上の疑問が生じたりした場合は、再度ChatGPTと対話して解決策を探ります。

このサイクルを繰り返すことで、AIとの協働によるシナジー効果が最大化され、より効率的かつ高品質なシステム開発が可能になります。


3. AIを「最強の相棒」にするための極意:プロンプトエンジニアリング

AIの能力を最大限に引き出すためには、AIに「正しく意図を伝える」コミュニケーションの技術が不可欠です。これが「プロンプトエンジニアリング」です。

  • 具体的で明確な指示: 「データベースのコードを書いて」ではなく、「PythonでSQLiteデータベースを操作するUserManagerクラスを作成して。ユーザー情報(ID, 名前, メールアドレス)を管理し、CRUD操作とエラーハンドリングを含めてください」のように、具体的かつ詳細な指示を与えることが重要です。
  • 役割(Role)の設定: AIに「あなたは経験豊富なPythonエンジニアです」のように役割を与えることで、その分野に特化した回答が得られます。
  • 制約条件(Constraints)の指定: 出力形式、文字数制限、使用技術などを明確にすることで、意図しない結果を避けることができます。
  • 文脈(Context)の提供: 既存のコード、エラーメッセージの全文、プロジェクトの背景、技術環境など、AIが判断に必要な情報を具体的に提供することで、回答の品質が大きく向上します。

これらのプロンプトエンジニアリングの原則を意識するだけで、AIの出力は劇的に向上し、あなたの開発効率をさらに高めることができるでしょう。


まとめ:AIはあなたの「SE能力」を拡張するパートナー

ChatGPTとGitHub Copilotは、それぞれ異なる強みを持つ強力なAIツールです。

  • ChatGPT: 設計の相談、学習、複雑な問題解決など、思考を深め、知識を広げる場面に強い。
  • GitHub Copilot: 高速なコード生成、定型処理の自動化など、実装作業を加速する場面に強い。

これらを効果的に使い分け、連携させることで、システム開発の各フェーズでAIの恩恵を最大限に受けることができます。そして、その根幹には「AIに正しく意図を伝える」プロンプトエンジニアリングのスキルが不可欠です。

AIは、私たちシステムエンジニアの仕事を奪うものではありません。むしろ、コードの細かな記述や定型業務から私たちを解放し、システム全体のアーキテクチャ設計や要件の分析、ユーザー体験の向上といった創造的な作業に、より多くの時間を割けるようにしてくれる「能力拡張ツール」なのです。

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