Power Automate 「OneDrive For Business」の記事一覧

2023年11月3日

English version.

「OneDrive For Business」コネクタを利用するにあたっての基本事項の解説と

トリガーアクションテンプレート関連の記事へのリンクです。

基本事項

OneDrive(Microsoft365に付属)の法人用である「OneDrive For Business」の

ブラウザ(クラウド)上の操作を行う機能群です。

ファイルの指定:ファイルIDとファイルパス

操作対象の指定方法にはファイルIDとファイルパスがあります。

それぞれ以下のような特徴があります。

ファイルID

OneDrive固有のファイル管理ID。

  • オプション指定時の名前は「ファイル」、動的なコンテンツは「ID」や「ファイル識別子」
  • 同じパスのファイルを削除して再作成すると別のID(ファイル)になる。
  • メタデータに含まれ、そのまま利用可能。

次のトリガーで取得します。

次のアクションでファイル指定に利用します。

ファイルパス

OneDriveでの保存場所とファイル名。

  • オプション指定時の名前は「ファイル パス」。動的なコンテンツは「ファイル パス」や「filePath」
  • 同じパスのファイルを削除して再作成しても同じファイルを指す。

次のトリガーで取得します。

次のアクションでファイル指定に利用します。

取得情報:ファイルコンテンツとメタデータ(プロパティ)

ファイルの情報を取得するアクションは大別して

「ファイルコンテンツ」と「メタデータ」の取得に分かれます。

まずファイルコンテンツはファイルの内容です。

テキストデータでも画像などのバイナリデータでも取り扱えます。

メタデータはファイル名などの付加情報で、以下のような項目を取得します。

項目変数の種類内容
ID文字列ファイル識別子。
名前文字列ファイル名。
拡張子は式で抽出します。
パス文字列ファイルのフルパス。
そのままでは使いづらいので文字列操作が必要な場合が多いです。
メディアの種類文字列ファイルのMINEタイプ
最終更新者文字列最終更新者のユーザ名
最終更新時刻文字列日時最終更新日時
サイズ整数ファイルのバイト数
OneDrive For Businessファイルのメタデータ一覧

取得できるのは付加情報のみです。

ファイルの内容であるファイルコンテンツが必要な場合はIdを利用して

ファイルコンテンツの取得」アクションで取得します。

フローの組み方

情報を取得するアクションと、ファイルに対して何かを行うアクションに分かれます。

後者のアクションはファイルIDが必要になる場合が多いため固定で指定するか、

ファイルが作成されたとき(プロパティのみ)」トリガー、

ファイルが変更されたとき(プロパティのみ)」トリガー、

パスによるファイル メタデータの取得」アクションで取得して、

その動的なコンテンツの「ID」を後続アクションの「ファイル」に指定するのが基本的な形です。

記事一覧

重要度について

筆者の主観で以下のようにランク付けしています。

重要度概要
そのコネクタにおいて中核。どのようなものか把握しておく方が良い機能。
利用頻度が低いか中核から離れているため、どのようなものか把握が不要な機能。
以下のいずれかの理由で、どのようなものか把握が不要な機能
・存在意義を見出せない機能
・他に良い選択肢がある機能
・利用するとフローが複雑(式の多用など)になるため非推奨な機能

トリガー

トリガー名重要度概要
ファイルが作成されたとき指定ディレクトリにファイルが新規作成された際にフローを起動し、対象ファイルの内容(ファイルコンテンツ)を取得。
トリガーでファイルコンテンツを利用するケースが少なめです。
ファイルが作成されたとき(プロパティのみ)指定ディレクトリにファイルが新規作成された際にフローを起動し、対象ファイルの付加情報(メタデータ)を取得。
ファイルが変更されたとき指定ディレクトリにファイルが更新された際にフローを起動し、対象ファイルの内容(ファイルコンテンツ)を取得。
トリガーでファイルコンテンツを利用するケースが少なめです。
ファイルが変更されたとき(プロパティのみ)指定ディレクトリにファイルが更新された際にフローを起動し、対象ファイルの付加情報(メタデータ)を取得。
選択したファイルの場合OneDriveでファイルを指定してフローを起動。

アクション

アクション名重要度概要
ファイルの作成ファイルの内容(ファイルコンテンツ)を指定して新規ファイルを作成。
ファイルを更新します既にあるファイルの内容(ファイルコンテンツ)を更新。
ファイルの削除既にあるファイルを削除。
ファイルコンテンツの取得ファイルIDで指定したファイルの内容(ファイルコンテンツ)を取得。他のアクションからファイルIDを取得する場合に適切。
パスによるファイルコンテンツの取得パスで指定した既にあるファイルの内容(ファイルコンテンツ)を取得。ファイルの場所が決まっている場合に適切。
フォルダー内のファイルのリストフォルダIDで指定したフォルダに格納されているファイル・フォルダのファイル名やファイルIDなどの付加情報(メタデータ)を取得。
ルート フォルダー内のファイルのリスト最上位フォルダに格納されているファイル・フォルダのファイル名やファイルIDなどの付加情報(メタデータ)を取得。
ファイル メタデータの取得ファイルIDで指定したファイルのファイル名やファイルIDなどの付加情報(メタデータ)を取得。他のアクションからファイルIDを取得する場合に適切。
ファイルIDが分かっている場合は他のメタデータも取れている場合が多いため活躍場所がない。
パスによるファイル メタデータの取得パスで指定した既にあるファイルのファイル名やファイルIDなどの付加情報(メタデータ)を取得。ファイルの場所が決まっている場合に適切。
ファイルのコピーファイルIDで指定したファイルを複製。
パスを使用したファイルのコピーパスで指定したファイルを複製。
ファイルの移動または名前変更ファイルIDで指定したファイルを移動かファイル名変更。
パスを使用したファイルの移動または名前変更パスで指定したファイルを移動かファイル名変更。
URL からのファイルのアップロード指定URLのファイルをOneDrive For Businessに保存。
ファイルのサムネイルを取得しますファイルIDで指定したファイルのサムネイルのURLを取得。
フォルダーにアーカイブを展開しますファイルIDで指定したZipファイルを解凍。
ファイルの変換ファイルIDで指定したファイルを別の形式に変換(Excel→PDFなど)
変換できるパターンは少ないです。
パスを使用したファイルの変換パスで指定したファイルを別の形式に変換(Excel→PDFなど)
変換できるパターンは少ないです。
共有リンクの作成するファイルIDで指定したファイルの共有用URLを作成(ファイルID指定)
共有リンクをパスで作成するパスで指定したファイルの共有用URLを作成(ファイルパス指定)
フォルダー内のファイルの検索フォルダIDで指定したフォルダを検索し、条件(パターン)に一致するファイルとフォルダの付加情報(メタデータ)を取得。
パスによるフォルダー内のファイルの検索フォルダパスで指定したフォルダを検索し、条件(パターン)に一致するファイルとフォルダの付加情報(メタデータ)を取得。

テンプレート

テンプレート名概要
Office 365 のメールの添付ファイルを OneDrive for Business に保存するOffice365 Outlookでメールを受信した時に添付ファイルがあればOneDriveに保存。
OneDrive for Business に新しいファイルが追加されたときにメールを送信するOneDriveの指定ディレクトリにファイルが新規作成された時にメールで通知。
OneDrive for Business に新しいファイルが追加されたときにプッシュ通知を受け取るOneDriveの指定ディレクトリにファイルが新規作成された時にモバイルのプッシュ通知。
OneDrive for Business ファイルが更新されたときにメールを受け取るOneDriveの指定ディレクトリのファイルが新規作成された時にメールで通知。
OneDrive for Business ファイルを Google Drive ファイルへOneDriveに新規されたファイルをGoogleDriveに自動コピー。