【AI用語】AI利用における情報セキュリティ
AIが業務に導入される中で、効率化や生産性向上が期待される一方、情報セキュリティの重要性が高まっています。
これは企業だけでなく、個人の利用においても同様です。
本記事は、AIを利用する方が、安全にAIを活用するための基礎知識と基本的な対策を提供することに焦点を当てています。


定義
「AI利用における情報セキュリティ」とは、AIシステムやAIが処理するデータが、意図しないアクセス、改ざん、漏洩などから保護される状態を指します。
情報セキュリティは、AIの「賢さ」だけでなく「安全性」を確保するために不可欠です。


具体的な例
事務・経理業務での企業利用の例
AIに顧客情報や契約書の内容を入力する際、またはAIによるデータ分析ツールに財務データや個人情報(従業員の給与情報など)を投入する際に、機密情報の誤送信や不正アクセスによるデータ改ざん、個人情報の漏洩といった情報セキュリティ上のリスクが発生する可能性があります。
対策として、入力する情報の範囲を限定することや、AIサービスの提供元のセキュリティ体制を確認すること、アクセス権限の管理やデータの暗号化が重要です。


個人利用の例
個人がAIを利用する際にも同様のリスクが存在します。
例えば、個人的な財務状況の管理、学習支援、プライベートな文書作成にAIツールを使用する場合、AIに入力した情報がサービス提供者に利用されたり、第三者に漏洩したりする可能性があります。
対策としては、プライバシーポリシーを理解すること、個人情報を含む情報の入力には慎重になること、信頼できるAIサービスを選ぶことが挙げられます。
利用者への影響・メリット・注意点
影響・メリット
信頼性の確保
セキュリティが確保されたAI利用により、業務プロセスの信頼性が向上し、安心してAIを活用できます。
リスクの抑制
情報漏洩やデータ改ざんのリスクを低減し、企業の評判や法的な問題、個人のプライバシー侵害を防ぐことにつながります。
業務の安定した継続
セキュリティ問題によるAIシステムの停止リスクを低減し、業務の継続性を確保することに貢献します。
注意点と基本的な対策
個人としてのAI利用における注意点と対策
パスワード管理の徹底
AIサービスへのアクセスパスワードは複雑にし、定期的に変更しましょう。多要素認証の利用も推奨されます。
入力情報の確認と制限
AIサービスを利用する際の個人情報の取り扱いについては、アカウント登録時の基本情報を除き、業務や分析で個人情報をAIに入力する際は、その情報がどのように扱われるかをプライバシーポリシーで確認し、安易に機密性の高い情報を入力しないよう注意が必要です。可能であれば、匿名化や仮名化されたデータを利用しましょう。例えば、氏名を「A氏」や「社員001」に、企業名を「A社」や「取引先B」に置き換える、あるいは具体的な金額を「約○億円」や「前年比○%増」といった形にするなどの方法があります。


提供元の信頼性確認
利用するAIサービスの提供元のセキュリティ対策や実績、評価を確認し、信頼できるサービスを選びましょう。広く利用されている代表的なサービスとして、Claude、ChatGPT、Geminiなどがあり、これらは一定のセキュリティ基準を満たしていると考えられます。
ソフトウェアの最新状態維持
利用しているAIツールや関連するOS、アプリケーションは常に最新の状態に保ち、セキュリティパッチを適用してください。
不審な挙動の監視
AIの応答やシステムの挙動に不審な点がないか注意を払い、異常を検知した場合は速やかに利用を停止しましょう。
具体的な異常の例としては、通常と明らかに異なる応答内容、入力した質問と関係のない回答、個人情報を不必要に求める応答、他のユーザーの情報が表示されるといった不適切な挙動や、システムの動作が極端に遅い、頻繁にログアウトされる、予期しない課金が発生するといったシステム上の問題が挙げられます。
ファイルプロパティの厳重な確認
Word、Excel、PowerPointといったOfficeファイルやPDF、画像ファイルなど、業務で扱う多くのファイルには、ファイルプロパティ(メタデータ)に作成者名、会社名、コメント、変更履歴といった機密情報や個人情報が自動的に記録されている場合があります。AIツールにこれらのファイルをアップロードする際は、情報漏洩のリスクを避けるため、必ずプロパティから不要な情報を削除してから利用しましょう。これは特に、外部のAIサービスを利用する際に重要です。
プロパティの詳細な確認手順と削除方法はこちら。
業務(企業)でのAI利用における注意点と対策
所属企業のポリシー順守
業務でAIツールを使用する際は、必ず所属企業のセキュリティポリシーやガイドラインを確認し、それに従ってください。
企業によっては、利用を許可するAIツールや入力可能な情報の範囲が厳しく定められている場合があります。
不明な点があれば、情報システム部門やセキュリティ部門、上長に確認しましょう。
入力情報の慎重な取り扱い
企業でAI利用に関するポリシーが未策定、あるいは策定段階にある場合は、情報が外部に漏洩しないか、サービスの提供元でどのように処理・保存されるかを十分に確認し、安全な利用方法について上長や関連部門と相談することが重要です。
企業向け有料プランの考慮
多くの企業向けAIサービスでは、無料版と比較して、データの利用方針の透明性、より強固なセキュリティ機能(専用環境、監査ログ、高度なアクセス管理など)が提供される企業向け有料プランが用意されています。
企業が導入を決定する際には、これらのセキュリティ面が評価されます。
情報のバックアップ
AIが処理する重要なデータは定期的にバックアップを取り、万が一の事態に備えましょう。
まとめ
AI利用における情報セキュリティは、単なる技術的な問題ではなく、日々の業務を安全に進めるための基盤です。
これは企業利用に限りません。
利用者が情報セキュリティの意識を持ち、基本的な対策を実践することが、AIを活用した業務効率化を推進し、新たな可能性を広げるために不可欠です。