Power Automate インスタント クラウド(手動)フローの作成方法と活用シーンの解説


はじめに
Power Automateには、業務を自動化するためのさまざまなフロー形式が用意されています。その中でも「インスタント クラウド フロー」は、ユーザーが任意のタイミングで手動実行できるタイプのフローです。
このフローの最大の特徴は、Webブラウザやモバイル端末からボタンをクリック(タップ)するだけで、自分の好きなタイミングでフローを起動できる点にあります。
定期実行するほどではないものの、頻繁に発生する定型業務を効率化したい場合に適しています。本記事では、インスタント クラウド フローの基本概念から具体的な作成手順、実践的な活用例までを解説します。
概要解説動画
※要約を抜粋した動画(朗読版)です。声優・井上喜久子さんの声を元にしたAI音声(桜乃そら)を使用しており、ラジオのように聞きやすく、優しい声で聞き流せます。
インスタント クラウド フローの基本概念
起動の仕組み
インスタント クラウド フローは、以下のような方法で起動できます。
- Webブラウザ上のPower Automateポータルからボタン操作で起動
- スマートフォンやタブレットのPower Automateアプリから起動
- Excel Online (Business)などのアプリケーションから起動
主な用途
インスタント クラウド フローは、次のような場面で活用されています。
- 任意のタイミングでのメール通知や承認依頼の送付
- 特定データの手動更新(例:SharePointリストへの登録)
- 新しく作成したフローのテスト実行
- 定期実行には向かないが、必要に応じて実行したい処理
フローの作成手順(基本ステップ)
作成の開始
- Power Automateのホーム画面にアクセスします
- 左側のメニューから「作成」を選択します
- 表示されるオプションから「インスタント クラウド フロー」をクリックします


基本設定
フローの作成画面が表示されたら、以下の情報を入力します。
- フロー名: 後から識別しやすい名称を設定します(例:「週次レポート通知」「テスト用メール送信」など)
- トリガー: フローの起動条件を選択します。手動実行の場合は「手動でフローをトリガーします」を選択します
設定が完了したら「作成」ボタンをクリックして次へ進みます。


フローの構築
作成画面に移動したら、以下の手順でフローを構築します。
- 「新しいステップ」をクリックしてコネクタ(接続先サービス)を選択します
- 選択したコネクタで実行するアクション(具体的な処理内容)を指定します
- 必要に応じてアクションを追加し、処理の流れを完成させます
【実践例】任意のタイミングでメールを送信するフロー
ここでは、ボタンをクリックするだけでメールを送信できるシンプルなフローを作成してみます。
コネクタの選択
- 「新しいステップ」をクリックします
- 検索ボックスに「Outlook」と入力します
- 表示される一覧から「Office 365 Outlook」コネクタを選択します




アクションの設定
- アクション一覧から「メールの送信 (V2)」を選択します
- 以下の項目を設定します
- 宛先: 送信先のメールアドレスを入力
- 件名: メールの件名を入力
- 本文: メールの本文を入力
固定のメールを送信する場合は、これらの値を直接入力します。動的に値を変更したい場合は、トリガーに入力項目を追加することも可能です。




保存と有効化
設定が完了したら、画面右上の「保存」ボタンをクリックします。保存が完了すると、フローが有効になり、いつでも実行できる状態になります。
作成したフローの実行方法
PCブラウザからの実行
- Power Automateのホーム画面にアクセスします
- 左側メニューから「マイ フロー」を選択します
- 作成したインスタント フローを一覧から探します
- フロー名の右側にある「実行」ボタン(再生マーク)をクリックします
- 確認画面が表示されたら「フローの実行」をクリックします


モバイル端末からの実行
モバイルアプリを活用すれば、外出先や移動中でもワンタップでフローを実行できます。
- App StoreまたはGoogle Playから「Power Automate」アプリをインストールします
- 職場または学校のアカウントでサインインします
- アプリ下部のメニューから「インスタントフロー」を選択します
- 実行したいフローを選択します
- 「フローを実行」をタップします


実行結果の確認
フローが実行されると、事前に設定した内容に基づいて処理が行われます。実行結果は、Power Automateの「フロー実行履歴」から確認できます。エラーが発生した場合も、履歴から詳細を確認して原因を特定できます。
【応用例】Excel上のデータから直接フローを起動する
Excelとの連携
インスタント クラウド フローは、Excel Online (Business)と組み合わせることで、より実務的な活用が可能になります。具体的には、Excelの表で「選択した行」に対してフローを実行することができます。
活用のメリット
この機能を使うことで、以下のような業務フローを実現できます。
- 顧客名簿から特定の顧客を選び、その顧客宛てにメールを送信
- 在庫リストから特定の商品を選び、発注処理を実行
- タスクリストから特定のタスクを選び、担当者へ通知
人間による判断(どの行を処理するか)と自動化(選択後の処理)を組み合わせることで、完全自動化が難しい業務にも対応できます。
詳細な設定方法
Excel Onlineのアドインを利用した具体的な手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:Power Automate 「選択した行(Excel Online (Business))」トリガーの使い方
まとめ
インスタント クラウド フロー(手動フロー)は、Power Automateの中でも直感的に理解しやすく、自動化の第一歩として取り組みやすい機能です。
主なポイントを整理すると、以下のようになります。
- ボタン操作で任意のタイミングに実行できる
- 定期実行が不要な定型業務の効率化に適している
- Excelとの連携により、人間の判断と自動化を組み合わせた柔軟な業務フローを構築できる
- PCブラウザとモバイルアプリの両方から実行可能
まずはメール送信などのシンプルなフローから始めて、徐々にExcel連携やSharePoint連携などの実務的な活用へ広げていくことで、業務改善の可能性が広がります。
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