【Excel初心者向け】数値の表示形式 設定ガイド|数字を見やすく分かりやすくする方法

- 1. はじめに
- 2. Excelの「数値の表示形式」とは?基本を初心者向けに解説
- 3. Excelで数字にカンマ区切りを設定する方法|大きな数値を読みやすく
- 4. Excelで金額・通貨表示(¥など)に設定する方法
- 5. Excelで割合をパーセント(%)表示に設定する方法
- 6. Excelで小数点以下の桁数を調整する方法|精度と見やすさ
- 7. Excelで分数表示を設定する方法|レシピや寸法などに
- 8. Excelでマイナスの数値を赤字表示にする方法|注意喚起に
- 9. Excelで数値を千円・百万円単位で表示する設定|大きな金額に
- 10. Excelの表示形式を解除して「標準」に戻す方法
- 11. 実践 事務職向けExcel数値表示形式の活用シーン
- 12. Excel数値表示形式の よくある質問(FAQ)
- 13. まとめ:今日から使えるExcelの数値表示テクニック
- 14. Excel完全マスター: 関数・テクニック・新機能を網羅した決定版ガイド
はじめに
「Excelで作った表の数字がバラバラで見づらい...」 「マイナスの数値を目立たせたいけどやり方が分からない...」 「パーセントや小数点の表示を統一したい...」
事務職でExcelを使い始めたばかりの方なら、このような悩みを抱えたことがあるかもしれません。
本記事では、Excel初心者の方でも簡単に使える「数値の表示形式」の基本から応用まで、分かりやすく解説します。数値の表示を工夫するだけで、あなたの資料は見違えるほど読みやすくなります。
Excelの「数値の表示形式」とは?基本を初心者向けに解説

Excelの「数値表示形式」とは、同じ数値データをどのように見せるかを設定する機能です。例えば「1000」という同じ数字でも:
- 1,000(カンマ区切り)
- ¥1,000(通貨表示)
- 1000.00(小数点表示)
- 1000%(パーセント表示)
など、目的に合わせて様々な形で表示できます。これは見た目だけの変更なので、実際の数値(計算に使われる値)は変わりません。
ここはExcel初心者がつまずきやすい、とても大切なポイントです。
たとえセルに「¥1,000」や「100%」と表示されていても、Excelが足し算や引き算などの計算に使うのは、元の数値(この例なら「1000」や「1」※)です。表示形式はあくまで「見せ方」を整える機能だと覚えておいてください。
※パーセント表示の場合、例えば「100%」と表示されていても、Excel内部では「1」として扱われます。「50%」なら「0.5」です。詳しくは後の「パーセント表示」のセクションで説明します。
数値表示形式を使いこなすと、こんなメリットがあります:
- 大きな数字が読みやすくなる
- データの性質(金額・割合など)が一目で分かる
- 書類が見やすく、プロフェッショナルな印象になる
- 入力ミスを減らせる
それでは、代表的な数値表示形式とその使い方を見ていきましょう。
Excelで数字にカンマ区切りを設定する方法|大きな数値を読みやすく
大きな数字を見るとき、どこまでが「百」でどこからが「千」なのか、分かりにくくなったことはありませんか?そんなときに役立つのが「3桁カンマ区切り」です。
カンマ区切りの設定方法(2つの方法)
方法1:直接入力する
数字を入力するとき、直接カンマを入れる方法です。 例:「1000000」ではなく「1,000,000」と入力
方法2:書式設定で一括変更する(おすすめ)
- カンマなしで数字を入力します(例:1000000)
- 数字が入っているセルを選択します
- 「ホーム」タブの「数値」グループにある「桁区切りスタイル」ボタン(見た目がコンマ「,」のボタン)

書式設定をおすすめする3つの理由
- 入力が楽になる: 大きな数字を入力するとき、カンマを気にせず入力できるので速く正確に入力できます
- 一括変更ができる: 既存のデータも選択して一気に変更できます
- ミスが減る: カンマの打ち間違いによる数値エラーが防げます
実践例:月次売上表の作成
事務職でよく作成する月次売上表では、この3桁カンマ区切りが役立ちます。 例えば、上の図の右側の表のようにカンマ区切りを使うことで、 数百万円や数千万円といった大きな数字も一目で理解しやすくなります。

Excelで金額・通貨表示(¥など)に設定する方法
請求書や予算表など、お金に関するデータを扱うときに便利なのが「通貨表示形式」です。
通貨表示形式の設定方法
- 金額を入力したセルを選択します
- 「ホーム」タブの「数値」グループにある「通貨表示形式」ボタン(お札とコインの絵のボタン)をクリックします

これだけで、選択したセルの数値が「¥1,000」のように表示されます。
【ショートカットキー】
選択したセルに素早く「通貨」表示形式(通常、小数点以下2桁付き)を設定したい場合は、キーボードで Ctrl + Shift + $ (ドル記号のキー) を同時に押す方法もあります。
通貨記号を変更したい場合
外国の通貨を扱う場合など、¥ではなく$やユーロなど他の通貨記号を使いたい場合は:
- セルを選択して右クリック→「セルの書式設定」を選択
- 「数値」タブ→左側の一覧から「通貨」を選択
- 「通貨記号」のドロップダウンから希望の通貨記号を選択

通貨表示形式の注意点
初心者がよく勘違いするポイントとして、この機能は「見た目を変えるだけ」ということです。実際の通貨換算(円からドルへの計算など)は行われません。例えば:
- 1000という数値を米ドル表示に変えても、自動的に1000円→約9ドルとは計算されません
- 計算を行う場合は、為替レートを別途入力して計算式を作る必要があります
活用例:予算管理表
総務や経理など事務職の方がよく作成する予算管理表では、通貨表示形式を使うことで、一目で「これは金額だ」と分かるようになります。

上の表のように通貨記号(¥)とカンマが付くことで、金額データであることが明確になります
【補足】「会計」表示形式との違いについて
Excelには「通貨」とよく似た「会計」という表示形式もあります。「セルの書式設定」ダイアログの「分類」から選択できます。
どちらも金額表示に使えますが、「会計」表示形式を選ぶと、通貨記号(¥など)がセルの左端に、数値が右端に揃って表示されます。複数の行で金額が並ぶ場合、桁数が違っても小数点や通貨記号の位置が縦にきれいに揃うため、財務諸表など、より整った見た目にしたい場合に便利です。

Excelで割合をパーセント(%)表示に設定する方法
成績表や達成率など、割合を表示するときに便利な「パーセント表示形式」について説明します。
パーセント表示の設定方法
方法1:直接入力する 数字の後に「%」をつけて入力します。 例:「25%」と入力
方法2:書式設定で変更する
- 小数で数値を入力します(例:25%なら「0.25」と入力)
- セルを選択します
- 「ホーム」タブの「数値」グループにある「パーセントスタイル」ボタン(「%」のボタン)をクリックします

方法3:ショートカットキーを使う
キーボードを使った方法も2種類あります。
- リボンアクセスキー:セルを選択し、キーボードでAlt → H → P の順に押します。(リボンのボタンを順番に操作する方法)
- 直接ショートカット:セルを選択し、キーボードで Ctrl + Shift + % (パーセント記号のキー) を同時に押します。(こちらの方が速い場合が多いです)
パーセント表示の重要ポイント
初心者が混乱しやすいポイントがあります:
- パーセント表示にすると、元の数値は100倍されて表示されます
- 例:0.25 → 25%
- 例:1.5 → 150%
- 内部的には小数のまま計算されるので、計算式は正しく機能します
実践例:売上達成率の表示
毎月の売上目標に対する達成率などを表示する際に、パーセント表示を使うと一目で達成度が分かります。

上の表のように達成率がパーセントで示されていると、目標に対する進捗が一目で分かります。
Excelで小数点以下の桁数を調整する方法|精度と見やすさ
会計データや測定値など、小数点のある数値を扱うとき、どこまで小数点以下を表示するかで見やすさが大きく変わります。
小数点以下の桁数調整方法
- 対象のセルを選択します
- 「ホーム」タブの「数値」グループにある以下のボタンを使用します
- 「小数点以下の表示桁数を増やす」ボタン(.0→.00に変わるボタン)
- 「小数点以下の表示桁数を減らす」ボタン(.00→.0に変わるボタン)

桁数調整の注意点
- 桁数を減らす場合、表示されなくなる桁は「四捨五入」されます
- ただし、内部的には元の精度(すべての桁)が保持されます
- そのため、見た目は丸められていても、計算には元の精度が使われます
適切な桁数の目安
業務シーンによって、適切な小数点以下の桁数は異なります:
- 金額データ:通常は小数点以下2桁(例:1234.56円)
- 割合・比率:通常は小数点以下1〜2桁(例:12.5%)
- 精密な測定値:必要な精度に応じて(例:測量データなら3桁以上も)
実践例:経費精算表の作成
事務職の方がよく作成する経費精算表では、金額の小数点以下は通常2桁に統一すると見やすくなります。

Excelで分数表示を設定する方法|レシピや寸法などに
レシピや図面寸法など、特定の業界では分数表示が求められることがあります。
分数表示の設定方法
- 対象セルを選択して右クリック→「セルの書式設定」を選択
- 「数値」タブで左側の一覧から「分数」を選択
- 右側で分母の種類(「1桁の分数」や「2桁の分数」など)を選択

分数表示の活用シーン
- 料理のレシピ(例:1 3/4カップの小麦粉)
- 建築・工業用の寸法(例:7 5/8インチ)
- アメリカンサイズの表記(例:ウエスト 30 1/2インチ)
Excelでマイナスの数値を赤字表示にする方法|注意喚起に
財務データや在庫管理では、マイナス値(赤字や不足)を視覚的に目立たせることが重要です。
マイナス値の赤字表示設定方法
- マイナス値(例:-100)が入ったセルを選択します
- 右クリックして「セルの書式設定」を選択します
- 「数値」タブで左側の一覧から「数値」または「通貨」を選択
- 「負の数」のセクションで、赤字表示の種類を選べます
- 赤字で表示:-1000や¥-1000(マイナス記号付き赤字)
- 赤字で括弧付き表示:(1000)や(¥1000)(括弧付き赤字)

カスタム表示でさらにアレンジ
「ユーザー定義」を選ぶと、より高度な表示形式を設定できます:
- マイナスを赤字、プラスを青字
- マイナス値の前に▲マークを付ける
- マイナス値のみ背景色を変える(条件付き書式と組み合わせ)
実践例:月次収支の管理
総務部や経理部で作成する月次収支報告書では、マイナス(赤字)を赤色で表示することで、一目で問題のある項目が分かります。

Excelで数値を千円・百万円単位で表示する設定|大きな金額に
予算や売上などの大きな数値を扱うとき、「千円単位」や「百万円単位」で表示すると見やすくなります。
単位表示の設定方法
- 対象セルを選択して右クリック→「セルの書式設定」を選択
- 「数値」タブで左側の一覧から「ユーザー定義」を選択
- 「種類」欄に以下のような書式を入力
- 千円単位:「#,##0,"千円"」
- 百万円単位:「#,##0,,"百万円"」

単位表示のポイント
- コンマ(,)一つで千単位、コンマ二つ(,,)で百万単位になります
- 表示は変わりますが、計算に使われる実際の値は変わりません
- 特に大きな予算を扱う部署での資料作成に役立ちます
実践例:年間予算計画書
年間予算計画書などの資料では、大きな金額を「百万円単位」で表示することで、数字が簡略化され全体像を把握しやすくなります。

Excelの表示形式を解除して「標準」に戻す方法
設定した表示形式を解除したいときは、以下の手順で「標準」形式に戻します。
表示形式解除の手順
- 対象セルを選択します
- 「ホーム」タブの「数値」グループにある数値書式ボックス(「標準」や設定中の書式名が表示されているドロップダウンリスト)をクリックします
- ドロップダウンメニューから「標準」を選択します


注意:通貨ボタンやパーセントボタンを再度押しても解除にはなりません。必ず「標準」を選択してください。
【ショートカットキー】
表示形式を「標準(数値の書式設定がされていない状態)」に戻すショートカットキーとしてCtrl + Shift + ~ (チルダのキー ※) も利用できます。
設定された数値書式を素早く解除したい場合に便利です。
※キーボードによっては ^ のキーの場合もあります。
実践 事務職向けExcel数値表示形式の活用シーン
ここからは、事務職の方々の日常業務で特に役立つ数値表示の活用法をご紹介します。
1. 見積書・請求書作成時の活用
- 金額欄:通貨表示形式+3桁カンマ区切り
- 数量欄:小数点以下は必要に応じて1〜2桁に統一。整数のみの項目は0桁で統一
- 合計欄:太字+背景色で目立たせる
2. 経費精算表での活用
- 円貨:通貨表示形式(¥)
- 外貨:通貨表示形式($など)
- 為替レート:小数点以下2桁表示
3. 在庫管理表での活用
- 在庫数:3桁カンマ区切り
- 在庫不足(マイナス):赤字表示
- 充足率:パーセント表示
4. 部署予算管理での活用
- 大きな予算額:百万円単位表示
- 予算消化率:パーセント表示
- 予算超過:マイナス赤字表示
これらの活用例を自分の業務に当てはめて考えてみると、どの表示形式が役立つか分かりやすいでしょう。
Excel数値表示形式の よくある質問(FAQ)
初心者の方からよく寄せられる質問に回答します。
Q1: 数値の表示形式を変えても、計算結果は変わりませんか
A: 変わりません。数値の表示形式は「見た目」だけを変えるもので、内部的な数値(計算に使われる値)は変わりません。例えば、「1.5」をパーセント表示にして「150%」と表示されても、計算には「1.5」という値が使われます。
Q2: 複数のセルの表示形式を一括で変更できますか
A: はい、できます。変更したいセルを複数選択(ドラッグするか、Ctrlキーを押しながら選択)してから、表示形式のボタンをクリックすれば、選択したすべてのセルに一括で適用されます。
Q3: 決まった表示形式を新規ブックでいつも使えるようにできますか
A: はい、テンプレートを作成することで可能です。よく使う表示形式を設定したブックを作成し、「名前を付けて保存」でファイルの種類を「Excelテンプレート (.xltx)」として保存します。次回から新規作成時にそのテンプレートを選べば、設定済みの状態で始められます。
Q4: セルに「#####」と表示されてしまう場合はどうすればよいですか
A: これは列幅が狭すぎて数値が表示しきれない場合に起こります。列の境界線をダブルクリックするか、列を選択して「ホーム」タブの「セル」グループにある「書式」→「列幅の自動調整」を選択すると解決します。

Q5: 0を表示したくない場合はどうすればよいですか
セルの書式設定で「ユーザー定義」を選び、「種類」の欄に 0;-0;;@ と入力すると、0の場合は空白で表示されます。(この 0;-0;;@ は、「正の数;負の数;ゼロの場合;文字列の場合」の表示形式を指定するコードです)。集計表などで特定の項目を目立たせたい場合に試してみてください。
Q6: 「通貨」表示形式と「会計」表示形式の違いは何ですか
A: どちらも金額を表示する際に使いますが、主に見た目の揃え方に違いがあります。
- 「通貨」表示形式:通貨記号(¥など)が数値のすぐ隣に表示されます。
- 「会計」表示形式:通貨記号がセルの左端、数値が右端に揃えて表示されます。

「会計」表示形式を使うと、複数のセルで桁数が異なっても、通貨記号や小数点の位置がきれいに縦に揃うため、表が見やすくなるというメリットがあります。
マイナス値を括弧で表示する場合も、「会計」の方がより一般的です。
どちらを使うかは、作成する資料の目的や好みに合わせて選んでください。
まとめ:今日から使えるExcelの数値表示テクニック
本記事では、Excel初心者の方でも簡単に使える数値表示形式の基本を解説しました。
- 3桁カンマ区切り:大きな数字を読みやすく
- 通貨表示:金額であることを明確に
- パーセント表示:割合を分かりやすく
- 小数点以下の桁数調整:精度と見やすさのバランスを取る
- 分数表示:特定のシーンで役立つ特殊表示
- マイナス値の赤字表示:問題点を視覚的に強調
- 千円・百万円単位表示:大きな数値の簡略化
まずは簡単な操作から試してみるのが、上達への近道です。例えば、お手元にある簡単な表で「3桁カンマ区切り」や「通貨表示」を設定してみてはいかがでしょうか。本記事で紹介したテクニックを一つずつ実践して、あなたのExcelスキルを着実に高めていきましょう。
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