【Excel初心者向け】3つの表示モードを徹底解説|作業時間を短縮するテクニック

2025年5月16日

xcel初心者のための3つの表示モード解説。標準モード、ページレイアウトモード、改ページプレビューモードを色分けされた抽象的なグラフィックで表現。効率的な作業のための使い分けテクニックを示す記事のアイキャッチ画像。

Excelで作業をしていると、「印刷したときのレイアウトがイメージと違う…」「大きな表が思ったようにページ分割されない…」といった経験はありませんか?

実はExcelには、作業の目的に合わせて切り替えられる3つの表示モードが用意されています。この機能を活用するだけで、日々の業務効率が格段に向上し、印刷トラブルも大幅に減らすことが可能です。

今回は、Excel初心者の方でも簡単に使いこなせる3つの表示モードを、具体的な使用シーンと共にご紹介します。この記事を読めば、あなたのExcel作業が今よりもっとスムーズになることでしょう。

目次

Excelの3つの表示モードとは?(Excel 表示モードの基本)

Excelには次の3つの表示モードがあります:

  1. 標準モード:日常的なデータ入力や計算作業に最適
  2. ページレイアウトモード:印刷時のレイアウトを確認しながら編集できる
  3. 改ページプレビューモード:印刷時のページ区切りを確認・調整できる

これらのモードは、「どれか一つだけを使う」のではなく、作業の段階に応じて使い分けるのがポイントです。たとえば:

  • データを入力するときは「標準モード」
  • レポートのレイアウトを整えるときは「ページレイアウトモード」
  • 印刷前の最終確認は「改ページプレビューモード」

というように使い分けることで、作業効率が大幅にアップします。

では、それぞれのモードの特徴と使い方を詳しく見ていきましょう。

標準モード:基本のデータ入力・計算作業に最適(Excel 標準モードの使い方

Excelの標準表示モード。グリッド線と最大の作業領域が特徴

標準モードの特徴

標準モードは、Excelを開いたときに最初に表示される基本的な画面です。

  • シンプルで見やすい画面レイアウト
  • 最大限の作業スペースを確保できる
  • データ入力や計算式の作成に集中できる環境

他のモードに切り替えても、標準モードに戻せます。

標準モードが便利な場面

このモードは、次のような作業に最適です。まずはこのモードに慣れましょう。

このモードは次のような作業に最適です:

  • 大量のデータを入力するとき
  • 複雑な計算式を作成するとき
  • データ分析や集計作業をするとき
  • 表の整形や装飾を行うとき

例えば毎月の経費データを入力する際には、標準モードにしましょう。広い画面で一度に多くのデータを見渡せるため、入力ミスが減り、作業時間も短縮できます。

このモードのメリット

  • 画面いっぱいにデータが表示されるので見やすい
  • 余計な要素がないので、集中して作業ができる
  • パソコンの動作が軽くなる(特に大きなファイルを扱うとき)

ページレイアウトモード:印刷レイアウトを確認しながら編集。(Excel ページレイアウトで印刷)

Excelのページレイアウトモード。ページ境界線と余白が表示された状態
Excelのページレイアウトモード。ヘッダーを編集する状態

ページレイアウトモードの特徴

ページレイアウトモードは、実際に印刷したときのイメージを見ながら編集できる画面です。

ページレイアウトモードが便利な場面

このモードは次のような作業に最適です:

  • 見栄えを重視したレポートを作成するとき
  • ヘッダーやフッターを編集するとき
  • 印刷レイアウトを細かく調整するとき
  • PDFとして保存する資料を作成するとき

例えば会議資料を作成する際には、このモードを活用できます。タイトルの配置やページ番号の挿入も画面上で確認できるため、印刷してから「あれ?思ったのと違う…」という手戻りを防げます。

このモードのメリット

  • 実際に印刷される通りのレイアウトを確認できる
  • ヘッダー・フッターをその場で編集できる
  • 余白の調整が視覚的にわかりやすい
  • 印刷前の調整時間を短縮できる

注意点

このモードは「ウィンドウ枠の固定」機能と同時に使用できません。ウィンドウ枠の固定が必要な場合は、標準モードで作業するか、印刷プレビュー機能を利用してください。ウィンドウ枠の固定のより詳しい説明はこちら

改ページプレビューモード:ページの区切りを最適化(Excel 改ページ 調整)

Excelの改ページプレビューモード。青い実線(印刷範囲)と青い点線(改ページ位置)が表示された状態

改ページプレビューモードの特徴

改ページプレビューモードは、印刷時のページ区切りを確認・調整するための特別な画面です。

  • 青い実線:印刷範囲を示す
  • 青い点線:ページの区切り(改ページ位置)を示す
  • これらの線はマウスでドラッグして調整可能

改ページプレビューモードが便利な場面

このモードは次のような作業に最適です:

  • 大きな表や複数ページにわたるデータを印刷するとき
  • 表の途中で切れてほしくない箇所を調整したいとき
  • 印刷用紙の無駄を減らしたいとき
  • ページの区切りを細かく調整したいとき

例えば、毎月の売上表を印刷する際に、この改ページプレビューモードを活用すると有効です。広範囲のデータを印刷する際も、重要な情報が見やすく分割されるよう調整できるため、資料の可読性が向上します。

このモードのメリット

  • ページ区切りが一目でわかる
  • 不自然な位置での改ページを防げる(例:表のタイトルと中身が別ページになる)
  • 印刷用紙の無駄を減らせる
  • 一部のデータだけが次のページにぽつんと印刷される「孤立」を防げる

表示モードの切り替え方法

Excelの表示モードは、3つの方法で簡単に切り替えることができます。自分が使いやすい方法を覚えておきましょう。初心者の方には、直感的に分かりやすい「2. ステータスバーから切り替える方法」が特におすすめです。

1. リボンメニューから切り替える方法

最も基本的な切り替え方法です:

  1. 画面上部の「表示」タブをクリック
  2. 左側の「ブックの表示」グループから選択
    • 「標準」:標準モード
    • 「ページレイアウト」:ページレイアウトモード
    • 「改ページプレビュー」:改ページプレビューモード
Excelのリボンメニューにある表示タブから表示モードを切り替える方法

2. ステータスバーから切り替える方法

画面右下から素早く切り替えられます。:

  1. Excelウィンドウの右下(ステータスバー)にある表示モードアイコンを探す
  2. 以下のいずれかのアイコンをクリック
    • 左のアイコン:標準モード
    • 中央のアイコン:ページレイアウトモード
    • 右のアイコン:改ページプレビューモード
Excelのステータスバー(画面右下)にある表示モードアイコンで切り替える方法

ヒント: ステータスバーにアイコンが表示されていない場合は、ステータスバーを右クリックして「表示選択ショートカット」にチェックを入れてください。

「表示選択ショートカット」にチェック

3. キーボードショートカットで切り替える方法

キーボード操作が得意な方におすすめの方法です:

  1. キーボードの「Alt」キーを押してから離す
  2. 次に「W」キーを押して離す
  3. 表示されたアルファベットから選択
    • 「L」:標準モード
    • 「P」:ページレイアウトモード
    • 「I」:改ページプレビューモード
Alt+Wを押した後に表示されるキーボードショートカットのオプション画面

初心者向け 表示モードの効果的な使い分け方

Excel 3つの表示モードの使い分けフロー図。作業目的に応じて、データ入力・計算には標準モード、レイアウト確認・編集にはページレイアウトモード、ページ区切り確認・調整には改ページプレビューモードを選択する決定木を表示。各モードの主な特徴も箇条書きで示している。

日常業務での使い分け例

ここでは、一般的な事務作業での表示モードの使い分け例をご紹介します。

例1:月次売上レポートの作成

  1. データ入力・計算(標準モード)
  1. 売上データの入力
  2. 合計や平均の計算式作成
  3. レポートのデザイン(ページレイアウトモード)
  1. タイトルの配置調整
  2. ヘッダーに日付と部署名を挿入
  3. 表の罫線やフォントの調整
  4. 印刷前の最終確認(改ページプレビューモード)
  1. 複数ページにわたる表の区切り位置を調整
  2. 重要な情報が分断されないよう確認

例2:経費精算書の作成と印刷

  1. 経費データの入力(標準モード)
  1. 日付、項目、金額などの入力
  2. 小計・合計の計算
  3. 印刷レイアウトの調整(ページレイアウトモード)
  1. 署名欄の配置を調整
  2. フッターに部署名と作成日を挿入
  3. 複数の経費精算書の一括印刷準備(改ページプレビューモード)
  1. 各精算書が1ページに収まるよう調整
  2. 必要に応じて拡大・縮小を設定

初心者がつまずきやすいポイントと解決法(Excel 表示モードのトラブル解決)

表示モードを使っていると、時々「あれ?」と思うことがあるかもしれません。よくある疑問とその解決法です。

問題1:「ページレイアウトモードだと動作が遅く感じる」

解決法:ページレイアウトモードは表示する情報が多い分、少し動作が重くなることがあります。データ入力や計算など、見た目の確認が不要な作業は「標準モード」で行い、レイアウト確認が必要な段階でのみ「ページレイアウトモード」に切り替えるのがおすすめです。

問題2:「改ページ位置を変更したのに印刷すると元に戻る」

解決法:改ページプレビューモードで青い線をドラッグして調整した後、必ずファイルを上書き保存してから印刷しましょう。また、意図しない「印刷範囲」が設定されていないかも確認してください(「ページレイアウト」タブ → 「印刷範囲」→「印刷範囲のクリア」)。

問題3:「ウィンドウ枠の固定ができない」

解決法:「ページレイアウトモード」では、残念ながらウィンドウ枠の固定機能が使えません。この機能を使いたい場合は、「標準モード」に切り替えてから設定しましょう。

ウィンドウ枠の固定機能についての説明

表示モード活用テクニック

実務で役立つ、一歩進んだテクニックをご紹介します。

テクニック1:ショートカットキーの活用

Altキー→Wキー→L/P/Iキーの組み合わせを覚えれば、マウス操作なしで素早く表示モードを切り替えられます。頻繁に切り替える作業では大幅な時間短縮になります。

テクニック2:印刷タイトルの自動表示

複数ページにわたる表を印刷するとき、各ページに項目名(見出し行)が表示されていると見やすくなります。ページレイアウトモードで「ページレイアウト」タブ → 「印刷タイトル」で設定すると、どの表示モードで作業していても、印刷時に複数ページにわたる表でも各ページに見出し行が自動で見出し行が表示されるようになります。

テクニック3:ズーム機能との併用

特に「改ページプレビューモード」で、画面右下のズーム機能(スライダーまたは +/- ボタン)を併用すると便利です。縮小して全体のページ分割を確認したり、拡大して細かい部分の改ページ位置を調整したりできます。併用すれば、全体のレイアウトを把握しながら細かい調整が可能になります。

よくある質問(FAQ)

Q1:表示モードによって保存されるファイルの内容は変わりますか?

A:いいえ、表示モードは画面の見え方だけを変更するものですので、保存されるファイルの内容自体は変わりません。

Q2:どの表示モードが一番パソコンへの負荷が少ないですか?

A:「標準モード」が最も負荷が少なく、特に大きなファイルを扱う場合は標準モードでの作業をおすすめします。

Q3:PDFに変換する場合はどの表示モードが最適ですか?

A:「ページレイアウトモード」で最終確認をしてからPDF変換すると、意図したレイアウト通りの出力が得られやすいです。

Q4:表示モードの初期設定を変更できますか?

A:はい、「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」→「表示」セクションで、新しいブックを開いたときの既定の表示を設定できます。

Q5:スマートフォンやタブレットのExcelアプリでも表示モードを切り替えられますか?

A:はい、モバイル版Excelでも表示モードの切り替えが可能です。画面上部の「表示」メニューから選択できます。

はい、変更可能です。「ファイル」タブ → 「オプション」→ 「詳細設定」の中にある→「表示」セクションで、「新しいブックの既定の表示」をお好みのモード(ページレイアウトなど)に設定できます。新しいブックを開いたときの既定の表示を設定できます。

まとめ:Excel表示モードを使いこなそう。

Excelの3つの表示モードは、それぞれに特化した機能を持っています:

  • 標準モード:データ入力や計算作業など、基本作業の効率を最大化する基本モード
  • ページレイアウトモード:印刷イメージを確認しながら資料の見た目を整えるモード
  • 改ページプレビューモード:複数ページ印刷時のページの区切りを最適化するためのモード

これらのモードを作業内容や目的に応じて「使い分ける」こと。これがExcel作業の効率を上げる大きなポイントです。特に初心者の方は、まずこれら3つの表示モードの違いと切り替え方をマスターするだけで、Excelの操作にぐっと自信がつくはずです。  

実際の業務では、データ入力(標準モード)と、印刷やPDF化のための資料作成(ページレイアウトモード、改ページプレビューモード)のフェーズで意識的にモードを切り替えてみましょう。  

ぜひこの記事で紹介した方法を試してみて、あなたのExcel作業をより快適でスムーズなものにしてください。

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