Googleタグマネージャー(GTM)とは

2022年11月2日

Googleタグマネージャー(以降GTM)は、

Googleアカウントがあれば無料で利用可能なタグマネジメントツール(タグマネと略されることもあります)の一つです。

タグマネとは「様々なタグを一元管理するツール」のことを言います。最近、呼ばれる頻度が減ってきていますがタグマネジメントツールはワンタグツールとも呼ばれます。

タグマネは他に「Yahoo!タグマネージャー(YTM)」や「dynamic tag management(DTM)」などが存在しますが、無償でありながらも初心者でも利用しやすいようにUIやヘルプが充実しているGTMが最も普及しています。

タグマネジメントツール/GTM導入のメリット

作業のコストが小さくなる

例えばWebページに複数の種類のWebサービスのタグを設置したい場合(Googleアナリティクス/Google広告/Yahoo!広告など)、それら全てのタグを設置する必要がありました。

Webサービスのタグを追加/削除/更新をしたい場合に、Webページが小さければ問題ありませんが、何百ページもあるような場合は作業が膨大になります。多くの場合Webシステムとなっているためシステム改修が必要です。

そこでタグマネを導入して最初にタグマネのタグを設置してさえおけば、タグマネの管理画面でWebサービスのタグを操作するだけで済み、大きな省力化になります。

そのためWeb解析ツールのみならず様々な広告サービスが増えてきた現在では多くのWebサイトでタグマネが導入されるようになりました。

タグ管理に関わるメンバーを減らすことができる

タグマネがない状態ではWebマーケティングの担当者が、Webページのシステム会社やシステム部門のエンジニアに設置依頼をする必要がありましたが、タグマネを導入するとWebマーケティング担当者が直接タグの管理を行えるようになるため、依頼するコスト(作業量や仕様の説明)をなくすことが可能でスピーディーな対応が可能になります。

多種類のタグを管理しやすい

設置タグが増え続けると、どのタグがどこに設置されているか把握できなくなっていきます。

設置場所は、タグがHTML中に記述されている場合は「HTMLの中での位置」、Webシステムに組み込まれていた場合は「どの部品か」といった具合に実装方法も含めて多岐に渡っていく場合があります。特に担当者の離職や人事異動があると混乱しやすいです。

そこでタグマネを導入すればタグの設置をタグマネだけに集中させることが可能になり、その問題を軽減することが可能です。(あくまで軽減です。タグマネ内で適切な名前付けやコメントがされていない場合は、これはこれで混乱していきます)

タグの発火URLを制御しやすい

例えばコンバージョン(商品購入や会員登録など)ページのみで発火したいタグが存在する場合、タグマネのタグを全ページに設置しておけばタグマネの設定だけで特定のURLから発火させることが容易に実現可能です。

GTMではトリガーという機能にURLの完全一致、部分一致(含む)、前方一致、後方一致、正規表現など様々な指定方法があり細かい制御が可能です。さらに一つ前のURLを指定して経路を発火条件にするような場合もあります。

Webページの動作不具合を起こしにくい

タグマネにはタグの発火をテストするモードが存在しています。

効率的にタグ設置を検証できるためタグがWebページで不具合を起こすことが少なくなります。

さらに(設置方法次第ではありますが)タグの一つが不具合を起こすと、他のタグが動作しなくなることがありますが、タグマネを使えば発生しません。

またタグの発火順序や同時発火数も制御できるため、Webサイトの読み込み速度を落とさずに複数のタグを設置するようなことも可能になります。もし大量のタグを同時に発火するとWebサイトの読み込みが極端に遅くなる可能性があります。

タグに与えるパラメータの設定が容易

商品リスト広告のような特殊な広告を実施する場合はタグに商品番号や注文件数などのパラメータを設定する場合があります。GTMではURLの一部やHTMLの要素などのタグに与えるパラメータのありかを指定する機能が豊富です。さらにその設定に名前をつけて保存しておくことで(変数)複数のサービスのタグで容易に使いまわすことが可能です。

連携タグが豊富

タグマネは多くのサービスのタグと連携していて設置しやすくなっていますが、GTMでは特にGoogle関連のサービスタグと連携しており、GoogleアナリティクスやGoogle広告のタグ設置が容易です。Criteoのようなメジャーな広告サービスとも連携しています。

Googleが提供するものではありませんが(Googleのサポートはない)、Yahoo!広告やSalesforcre、Twitter、Amazonなどタグテンプレートという形で連携されています。

イベントトラッキングが容易(JavaScriptの知識不要)

GTMでは豊富なイベントトラッキングが実装されています。

  • ページ読み込みのどの段階か
  • フォーム送信
  • 要素の表示(HTMLのIDなどを指定)
  • 要素のクリック(HTMLのIDなどを指定)
  • Youtube動画の状態(開始/完了/再生時間などを指定)
  • スクロール距離(割合やピクセル数で距離を指定)
  • 時間(特定のタイミングからの秒数を指定)

Googleアナリティクスなどでこれらのイベントを計測しようとするとJavaScriptでのプログラミングが必要ですが、GTMを利用すればJavaScriptなしで任意のイベントをトラッキングしGoogleアナリティクスなどのタグを発火させることが可能になります。

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