Power Automate Desktop「.NET スクリプト実行」アクション
2023年7月のアップデートで追加されたアクションで、C#かVB.NETのコードを実行します。
C#とVB.NETはどちらも大規模開発向けのプログラム言語であり、RPAの用途には比較的不向きです。
専門性のハードルも高いため、他のスクリプト言語のアクションを使用すること推奨します。
このアクションが有用なのは主に、既にあるdll(Dynamic Link Library: DLL、動的リンクライブラリ)の機能をPower Automate Desktopで利用したい場面でしょう。
その場合でもC#やVB.NETの知識は必要です。
利用方法
「アクション」の「スクリプト」より「.NET スクリプト実行」をドラッグします。

パラメーターの設定画面が表示されるので値を指定します。

パラメーター
日本語訳が不適切、または訳さない方が良い項目が多く、今後のアップデートで名称が変更される可能性が高いです。
言語
アクションで実行するプログラム言語を選択します。現時点での開発の主流はC#で、VB.NETは過去の資産の活用が主でしょう。

.NET スクリプトのインポート
C#では「using」、VB.NET「Imports」で指定する項目です。
名前空間を指定します。「using」や「Imports」、「;」を記述せずに改行のみで名前空間を区切ります。

読み込まれる参照
dll(Dynamic Link Library: DLL、動的リンクライブラリ)を利用する場合に設定します。
dllファイルの保存されているフォルダーを指定します。複数のdllを指定する場合、一つのフォルダーにdllを集めておきます。

スクリプト パラメーター
Power Automate Desktopと実行するコードの間で値をやりとりするための設定を行います。
「編集」をクリックして設定します。


.NET パラメーター名
コード内での変数名を設定します。
種類
変数のデータ型です。コードは英語なため、日本語訳されることで不適切になっています。
- 文字列:String
- ブール値:Boolean
- データテーブル:Datatable
- 日時:Datetime
- 小数:Decimal
- ダブル:Double(倍精度浮動小数点数)
- ダイナミック:Dynamic(動的型付け変数)
- 整数:Integer(符号付き 32 ビット整数)
- リスト:List
- 長い:Long(より長い整数。符号付き 64 ビット整数)


方向
変数の向きを選択します。コードは英語なため、日本語訳されることで不適切になっています。
- 含まれる(入力のみ。Power Automate Desktop から コードに値を与える)
- 外(出力のみ。コード から Power Automate Desktopに値を返す)
- 入/出(入力と出力の両方)


入力値
方向が「含まれる」か「入/出」の場合に設定します。
Power Automate Desktop から コードに与える値を設定します。変数か固定値を指定します。

出力変数
方向が「外」か「入/出」の場合に設定します。
コード から Power Automate Desktopに返す値を受け取る変数を指定します。
コードの実行終了時にコードの変数の値が、Power Automate Desktopの変数に設定されます。

実行する .NET コード
実行するコードを設定します。変数も設定可能なので、「ファイルからテキストを読み取る」で読み込んだコードを実行することも可能です。

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