Power Automate Desktop「.NET スクリプト実行」アクション

2023年8月2日

English version.

2023年7月のアップデートで追加されたアクションで、C#かVB.NETのコードを実行します。

C#とVB.NETはどちらも大規模開発向けのプログラム言語であり、RPAの用途には比較的不向きです。

専門性のハードルも高いため、他のスクリプト言語のアクションを使用すること推奨します。

このアクションが有用なのは主に、既にあるdll(Dynamic Link Library: DLL、動的リンクライブラリ)の機能をPower Automate Desktopで利用したい場面でしょう。

その場合でもC#やVB.NETの知識は必要です。

利用方法

「アクション」の「スクリプト」より「.NET スクリプト実行」をドラッグします。

パラメーターの設定画面が表示されるので値を指定します。

パラメーター

日本語訳が不適切、または訳さない方が良い項目が多く、今後のアップデートで名称が変更される可能性が高いです。

言語

アクションで実行するプログラム言語を選択します。現時点での開発の主流はC#で、VB.NETは過去の資産の活用が主でしょう。

.NET スクリプトのインポート

C#では「using」、VB.NET「Imports」で指定する項目です。

名前空間を指定します。「using」や「Imports」、「;」を記述せずに改行のみで名前空間を区切ります。

読み込まれる参照

dll(Dynamic Link Library: DLL、動的リンクライブラリ)を利用する場合に設定します。

dllファイルの保存されているフォルダーを指定します。複数のdllを指定する場合、一つのフォルダーにdllを集めておきます。

スクリプト パラメーター

Power Automate Desktopと実行するコードの間で値をやりとりするための設定を行います。

「編集」をクリックして設定します。

.NET パラメーター名

コード内での変数名を設定します。

種類

変数のデータ型です。コードは英語なため、日本語訳されることで不適切になっています。

  • 文字列:String
  • ブール値:Boolean
  • データテーブル:Datatable
  • 日時:Datetime
  • 小数:Decimal
  • ダブル:Double(倍精度浮動小数点数)
  • ダイナミック:Dynamic(動的型付け変数)
  • 整数:Integer(符号付き 32 ビット整数)
  • リスト:List
  • 長い:Long(より長い整数。符号付き 64 ビット整数)
日本語版の表記
英語版の表記
方向

変数の向きを選択します。コードは英語なため、日本語訳されることで不適切になっています。

  • 含まれる(入力のみ。Power Automate Desktop から コードに値を与える)
  • 外(出力のみ。コード から Power Automate Desktopに値を返す)
  • 入/出(入力と出力の両方)
日本語版の表記
英語版の表記
入力値

方向が「含まれる」か「入/出」の場合に設定します。

Power Automate Desktop から コードに与える値を設定します。変数か固定値を指定します。

出力変数

方向が「外」か「入/出」の場合に設定します。

コード から Power Automate Desktopに返す値を受け取る変数を指定します。

コードの実行終了時にコードの変数の値が、Power Automate Desktopの変数に設定されます。

実行する .NET コード

実行するコードを設定します。変数も設定可能なので、「ファイルからテキストを読み取る」で読み込んだコードを実行することも可能です。

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