Excel 条件付き書式を使ったデータ可視化テクニック:棒グラフや色の強弱(ヒートマップ)
Excelでデータを効果的に可視化(データビジュアライズ)する方法として、グラフ以外に条件付き書式があります。
この機能を使うと、セル内にデータの傾向や重要性を視覚的に表現できます。
本記事では、条件付き書式の3つの主要な表現方法(アイコンセット、カラースケール、データバー)について、その特徴、設定方法、適切な使用場面を詳しく解説します。
条件付き書式の表現方法比較
各表現方法には、以下のような特徴があります:
状況によって適切なものを選択します。
表現方法 | 特徴的な箇所の発見 | 数値の差の度合いの把握 |
---|---|---|
カラースケール | 優れている | あまり適していない |
アイコンセット | 中程度 | 中程度 |
データバー | あまり適していない | 優れている |
「特徴的な箇所の発見」と「数値の差の度合いの把握」の能力がトレードオフとなっており、状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。
種類と設定方法
アイコンセット
特徴
- セルに矢印や星などのアイコンを表示
- データの相対的な位置(大、中、小)を簡単に把握可能
データの相対的な位置づけを素早く把握するのに適しています。各セルの値が、全体の中でどの程度の水準にあるか(高い、中程度、低い)を視覚的に示すため、データの概要を瞬時に理解できます。
設定方法
- 対象範囲を選択
- 「ホーム」タブ →「条件付き書式」→「アイコンセット」を選択
- 適切なアイコンセットを選択(3〜5段階)
- 必要に応じて「ルールの管理」で閾値やアイコンの順序を調整
例えば月毎や地域毎など1列または1行づつ閾値を別系統にしたい場合は、それぞれ選択、設定を繰り返す必要があります。Ctrlによる分割選択や書式コピーでは同一系列にされてしまいます。
異なる基準でアイコンセットを適用する場合の注意点:
- 個別の列や行に対する設定: 月ごとや地域ごとなど、1列または1行ずつ異なる閾値を設定したい場合は、各列・行を個別に選択し、設定を行う必要があります。
- 一括設定の制限:
- Ctrlキーを使用した複数選択や書式のコピー&ペーストでは、同一の基準が適用されてしまいます。
- これらの方法では、列や行ごとに異なる閾値を設定することができません。
- 推奨される手順:
- 各列または各行を個別に選択
- それぞれに適した閾値やアイコンセットを設定
- 必要に応じてこのプロセスを繰り返す
この方法により、データの特性に合わせた詳細なカスタマイズが可能になります。
カラースケール
特徴
- セルの背景色で数値の強弱を表現
- 異常値や極端な値の発見に最適
- ただし、数値の度合いや差の把握には不適切
設定方法
- 対象範囲を選択
- 「ホーム」タブ →「条件付き書式」→「カラースケール」を選択
- 好みのカラーパターンを選択
データバー
特徴
- セル内に棒グラフを表示
- 数値間の相対的な差を視覚的に把握しやすい
- 負の値にも対応(通常と異なる色で表示)
アイコンセットやカラースケールと違い、どこが大きいか小さいかの把握は難しいですが
数値の推移やセル間でどの程度の差があるのかの把握が得意です。
設定方法
- 対象範囲を選択
- 「ホーム」タブ →「条件付き書式」→「データバー」を選択
- 好みの色や塗りつぶしパターンを選択
同様な用途の機能との比較
Excelにおけるデータ可視化手法の選択ガイド:
- 多様な可視化オプション: Excelには数値の大小を視覚的に表現する複数の方法があり、それぞれに特徴があります。
- 機能別の得意分野:
- 条件付き書式:簡易的な可視化に適し、セル内での表現が可能
- グラフ機能:詳細な分析や複雑なデータ表現に適している
- スパークライン:コンパクトなトレンド表示に優れている
- 推奨アプローチ:
- まず条件付き書式の使用を検討する:操作が簡単で、多くのケースに対応可能
- 条件付き書式で不十分な場合、他の機能を検討する
- より詳細な分析や特殊な表現が必要な場合はグラフ機能を使用
- 小さなスペースでトレンドを示したい場合はスパークラインを活用
- 選択の基準:
- データの性質(時系列、カテゴリ別など)
- 表現したい内容(傾向、比較、分布など)
- 表示スペースの制約
- 対象読者のデータリテラシーレベル
機能 | 最適な場面やメリット | 手間 |
---|---|---|
条件付き書式 ・データバー ・カラースケール ・アイコンセット | 多くの場合、条件付き書式が適切です。 ・行・列(2次元の表)での大小を比較 ・大量データの処理 ・手軽さと高い表現力が必要な場合 | 小 |
スパークライン ・折れ線 ・縦棒 ・勝敗 | ・1次元(行)データの比較 ・少量データの比較 ・条件付き書式にない時系列データの表現 | 小 |
グラフ | 複雑な分析や表現が必要な場合に適しています。 ・複合グラフ、レーダーチャートや散布図などグラフのみで可能な表現をしたい場合 ・プレゼンテーション資料 | 大 |
REPT関数 | ・旧バージョンのExcelでの使用 ・他の機能が使用できない場合 | 小 |
スパークラインの詳細
REPT関数の詳細
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