Excel セルに簡易グラフを表示する(スパークライン機能)
スパークラインは1つのセルに棒グラフや折れ線グラフを表示する機能です。
これを使用することによりグラフより小さい手間で
数値の大小を比較的に表現することが出来ます。
この記事ではスパークラインの特徴と使い方、
注意点、類似機能との比較を紹介します。
手順
基本的な作成方法
「挿入」の「スパークライン」より任意のグラフを選択します。
「スパークラインの作成」ウインドウが表示されるのでセル範囲を選択します。
今回の例では下記のように設定します。
項目 | 設定例 |
---|---|
データ範囲 | C3:G7 |
場所の範囲 | H3:H7 |
「場所の範囲」はグラフの表示場所で1列しか設定出来ません。
また結合セルにも設定不可能です。
設定後にOKボタンを押下すると場所の範囲にスパークラインが表示されます。
このままだと高さが比較し辛いので行の高さを大きくします。
作成したばかりの状態ではスパークラインの最大を最小は行ごとに異なります。
受験者Aは67~86の間でプロットされ、受験者Bは26~90の間でプロットされます。
受験者同士で高さを比較する必要がない場合は
このままでも問題ありませんが、
そうでない場合は軸の高さを調整する必要があります。
それにはスパークラインを全てセル選択した状態で
「デザイン」より軸の最小値と最大値をユーザー設定値で調整する必要があります。
最小値を0、最大値を100に設定します。
これによりA~E全ての受験者のスケールが揃いグラフで大小を
比較することが可能になります。
スパークラインの種類
スパークラインの表現は「折れ線」、「縦棒」、「勝敗」の3種類が存在します。
折れ線
セルに折れ線グラフを表示します。
時系列の数値の推移を表現することに適しています。
縦棒
棒グラフを表示します。
系列間の数値の大小を比較することに適しています。
勝敗
+の値と-の値を棒グラフで表現します。
値の大きさで高さは変わらず、
0では何も表示されません。
あまり使い道がなく
これを使うより書式設定で
負の数を赤字で表示するほうが
効率が良いとは思います。
表示
チェックした項目を強調します。
「縦棒」と「勝敗」では色変更され
「折れ線」ではマーカーが表示されます。
項目 | 説明 |
---|---|
頂点(山) | その行の最大値 |
頂点(谷) | その行の最小値 |
負のポイント | 負の値全て |
始点 | その行の最初の値 |
終点 | その行の最後の値 |
マーカー | 全ての値(折れ線のみ選択可) |
頂点(山)をチェックした場合、
それぞれの行の最大値が色変更で強調されます。
折れ線グラフで「マーカー」を選択すると
全ての値にマーカーが表示されます。
頂点(谷)をチェックすると
その行の最低値にマーカーを表示します。
実用的には特に強調したい項目のみに
絞って設定するべきで、
後述する色変更を行うにしても
3つ以上設定すると何を強調したいのかが
不明確になってしまいます。
(負のポイントと折れ線のマーカーは除き)
スタイル
スパークラインの見た目を選択出来ます。
個別項目で細かく設定も可能です。
スパークラインの色
グラフの基本的な色を設定します。
マーカーの色
先述の「表示」で強調できる要素の色を設定します。
無秩序に設定すると可読性を落とすため
強調する要素は2つまでに絞った上で
負の数が存在する場合は
「負のポイント」に赤を設定し
(負の数がなければ他が赤で可)
強調する要素二つをそれぞれ別の色に
設定すると意図が伝わりやすいものになります。
同様な用途の機能との比較
Excelにおけるデータ可視化手法の選択ガイド:
- 多様な可視化オプション: Excelには数値の大小を視覚的に表現する複数の方法があり、それぞれに特徴があります。
- 機能別の得意分野:
- 条件付き書式:簡易的な可視化に適し、セル内での表現が可能
- グラフ機能:詳細な分析や複雑なデータ表現に適している
- スパークライン:コンパクトなトレンド表示に優れている
- 推奨アプローチ:
- まず条件付き書式の使用を検討する:操作が簡単で、多くのケースに対応可能
- 条件付き書式で不十分な場合、他の機能を検討する
- より詳細な分析や特殊な表現が必要な場合はグラフ機能を使用
- 小さなスペースでトレンドを示したい場合はスパークラインを活用
- 選択の基準:
- データの性質(時系列、カテゴリ別など)
- 表現したい内容(傾向、比較、分布など)
- 表示スペースの制約
- 対象読者のデータリテラシーレベル
機能 | 最適な場面やメリット | 手間 |
---|---|---|
条件付き書式 ・データバー ・カラースケール ・アイコンセット | 多くの場合、条件付き書式が適切です。 ・行・列(2次元の表)での大小を比較 ・大量データの処理 ・手軽さと高い表現力が必要な場合 | 小 |
スパークライン ・折れ線 ・縦棒 ・勝敗 | ・1次元(行)データの比較 ・少量データの比較 ・条件付き書式にない時系列データの表現 | 小 |
グラフ | 複雑な分析や表現が必要な場合に適しています。 ・複合グラフ、レーダーチャートや散布図などグラフのみで可能な表現をしたい場合 ・プレゼンテーション資料 | 大 |
REPT関数 | ・旧バージョンのExcelでの使用 ・他の機能が使用できない場合 | 小 |
条件付き書式の詳細
REPT関数の詳細
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