Excel セルに簡易グラフを表示する(スパークライン機能)

2021年11月6日

スパークラインは1つのセルに棒グラフや折れ線グラフを表示する機能です。

これを使用することによりグラフより小さい手間で

数値の大小を比較的に表現することが出来ます。

この記事ではスパークラインの特徴と使い方、

注意点、類似機能との比較を紹介します。

手順

基本的な作成方法

「挿入」の「スパークライン」より任意のグラフを選択します。

「挿入」の「スパークライン」より任意のグラフを選択

「スパークラインの作成」ウインドウが表示されるのでセル範囲を選択します。

今回の例では下記のように設定します。

「スパークラインの作成」ウインドウにセル範囲を設定
項目設定例
データ範囲C3:G7
場所の範囲H3:H7

「場所の範囲」はグラフの表示場所で1列しか設定出来ません。

また結合セルにも設定不可能です。

設定後にOKボタンを押下すると場所の範囲にスパークラインが表示されます。

スパークラインが表示

このままだと高さが比較し辛いので行の高さを大きくします。

行の高さを大きくし、スパークラインを見やすくした状態

作成したばかりの状態ではスパークラインの最大を最小は行ごとに異なります。

受験者Aは67~86の間でプロットされ、受験者Bは26~90の間でプロットされます。

受験者同士で高さを比較する必要がない場合は

このままでも問題ありませんが、

そうでない場合は軸の高さを調整する必要があります。

それにはスパークラインを全てセル選択した状態で

「デザイン」より軸の最小値と最大値をユーザー設定値で調整する必要があります。

「デザイン」より軸の最小値と最大値をユーザー設定値で調整

最小値を0、最大値を100に設定します。

縦軸の最小値を0に設定
縦軸の最大値を100に設定

これによりA~E全ての受験者のスケールが揃いグラフで大小を

比較することが可能になります。

最大値と最小値を調整し、全ての受験者のスケールを揃えたスパークライン

スパークラインの種類

スパークラインの表現は「折れ線」、「縦棒」、「勝敗」の3種類が存在します。

折れ線

セルに折れ線グラフを表示します。

時系列の数値の推移を表現することに適しています。

スパークライン「折れ線」

縦棒

棒グラフを表示します。

系列間の数値の大小を比較することに適しています。

スパークライン「縦棒」

勝敗

+の値と-の値を棒グラフで表現します。

値の大きさで高さは変わらず、

0では何も表示されません。

あまり使い道がなく

これを使うより書式設定で

負の数を赤字で表示するほうが

効率が良いとは思います。

スパークライン「勝敗」

表示

チェックした項目を強調します。

スパークラインの表示

「縦棒」と「勝敗」では色変更され

「折れ線」ではマーカーが表示されます。

項目説明
頂点(山)その行の最大値
頂点(谷)その行の最小値
負のポイント負の値全て
始点その行の最初の値
終点その行の最後の値
マーカー全ての値(折れ線のみ選択可)

頂点(山)をチェックした場合、

それぞれの行の最大値が色変更で強調されます。

縦棒で表示の頂点(山)をチェック

折れ線グラフで「マーカー」を選択すると

全ての値にマーカーが表示されます。

折れ線で「マーカー」をチェック

頂点(谷)をチェックすると

その行の最低値にマーカーを表示します。

折れ線で「頂点(谷)」をチェック

実用的には特に強調したい項目のみに

絞って設定するべきで、

後述する色変更を行うにしても

3つ以上設定すると何を強調したいのかが

不明確になってしまいます。

(負のポイントと折れ線のマーカーは除き)

スタイル

スパークラインの見た目を選択出来ます。

個別項目で細かく設定も可能です。

スタイルを選択

スパークラインの色

グラフの基本的な色を設定します。

「スパークラインの色」の設定

マーカーの色

先述の「表示」で強調できる要素の色を設定します。

無秩序に設定すると可読性を落とすため

強調する要素は2つまでに絞った上で

負の数が存在する場合は

「負のポイント」に赤を設定し

(負の数がなければ他が赤で可)

強調する要素二つをそれぞれ別の色に

設定すると意図が伝わりやすいものになります。

マーカーの色の設定

同様な用途の機能との比較

Excelにおけるデータ可視化手法の選択ガイド:

  1. 多様な可視化オプション: Excelには数値の大小を視覚的に表現する複数の方法があり、それぞれに特徴があります。
  2. 機能別の得意分野:
    • 条件付き書式:簡易的な可視化に適し、セル内での表現が可能
    • グラフ機能:詳細な分析や複雑なデータ表現に適している
    • スパークライン:コンパクトなトレンド表示に優れている
  3. 推奨アプローチ:
    • まず条件付き書式の使用を検討する:操作が簡単で、多くのケースに対応可能
    • 条件付き書式で不十分な場合、他の機能を検討する
      • より詳細な分析や特殊な表現が必要な場合はグラフ機能を使用
      • 小さなスペースでトレンドを示したい場合はスパークラインを活用
  4. 選択の基準:
    • データの性質(時系列、カテゴリ別など)
    • 表現したい内容(傾向、比較、分布など)
    • 表示スペースの制約
    • 対象読者のデータリテラシーレベル
機能最適な場面やメリット手間
条件付き書式
・データバー
・カラースケール
・アイコンセット
多くの場合、条件付き書式が適切です。
・行・列(2次元の表)での大小を比較
・大量データの処理
・手軽さと高い表現力が必要な場合
スパークライン
・折れ線
・縦棒
・勝敗
・1次元(行)データの比較
・少量データの比較
・条件付き書式にない時系列データの表現
グラフ複雑な分析や表現が必要な場合に適しています。
・複合グラフ、レーダーチャートや散布図などグラフのみで可能な表現をしたい場合
・プレゼンテーション資料
REPT関数・旧バージョンのExcelでの使用
・他の機能が使用できない場合

条件付き書式の詳細

REPT関数の詳細

Excel完全マスター: 関数・テクニック・新機能を網羅した決定版ガイド

本書は、Excelの基礎から応用まで、包括的に学べるガイドブックです。当サイトの豊富な情報を、電子書籍向けに最適化し、読みやすく再構成しました。

【本書の特徴】

  • 情報量:Word-A4サイズ換算で1,400ページ相当
  • 基本操作から高度なテクニックまで、段階的に学習可能
  • 140種類の関数を詳細に解説
  • 109種類の実用的なテクニックと具体例を紹介
  • 最新機能(XLOOKUP関数、LET関数、シートビュー、LAMBDA関数、スピル等)を徹底解説

【対象読者】

  • Excel初心者からプロフェッショナルまで
  • 体系的にExcelスキルを向上させたい方
  • 業務効率化を目指すビジネスパーソン
  • データ分析や可視化のスキルを磨きたい方

【本書の強み】

  • 実務に即した例題と解説
  • 視覚的な図表やスクリーンショットで理解を促進
  • 最新のExcelバージョンに対応した内容
  • 著者の長年の経験に基づく、実践的なTipsを多数収録

【更新とサポート】

  • 常に最新の情報を反映するため、定期的に内容を更新
  • 最新版の入手方法:Amazonカスタマーサポートへお問い合わせください

【入手方法】

  • 買い切り:950円
  • Kindle Unlimited:読み放題プランで利用可能

Excelマスターを目指す方、業務効率を劇的に向上させたい方に、自信を持っておすすめできる一冊です。この1冊で、Excelの可能性を最大限に引き出す力が身につきます。