【Excel初心者向け】セルの非表示より便利な折りたたみ機能(アウトライン)で表を見やすくする方法

2025年5月30日

Excel初心者向け折りたたみ機能解説記事のアイキャッチ画像、表の整理整頓をイメージした青緑色のデザインに猫のキャラクター
目次

はじめに

Excel(エクセル)でデータ量の多い大きな表を扱っていると、特定の情報だけを一時的に表示させたい、あるいは詳細なデータは普段は隠しておきたい、と感じることはありませんか?例えば、月ごとの詳細な売上データがあるけれど、普段は四半期ごとの合計だけを確認したい、といった場面です。一時的に隠したい行や列があるけれど、完全に削除はしたくない、というときに便利なのが「折りたたみ機能(アウトライン)」です。

この機能を使えば、ボタン一つで必要な部分だけを表示したり隠したりできるようになります。

本記事では、Excel初心者の方でも簡単に使える折りたたみ機能の使い方を、図解付きで詳しく解説します。

Excel折りたたみ機能の使用例、展開状態と折りたたみ状態の比較画面

折りたたみ機能(アウトライン)とは?

折りたたみ機能とは、Excelの表で関連する行や列をまとめて、ワンクリックで表示・非表示を切り替えられる機能のことです。この機能は正式には「アウトライン機能」と呼ばれていますが、行や列を「折りたたむ」ように隠したり広げたりできるため、「折りたたみ機能」という通称で広く知られています。

この機能の大きな特徴は以下の通りです。

  • ボタン一つで複数の行や列を一度に隠したり表示したりできる
  • データは削除されず、いつでも元に戻せる
  • 表の構造を保ったまま、見た目をすっきりさせられる
Excelの折りたたみ機能のイメージイラスト

どんなときに折りたたみ機能が便利?

折りたたみ機能は、以下のような場面で特に威力を発揮します。

詳細データと要約を使い分けたいとき

例えば、月別の売上データを管理している場合:

  • 普段は四半期ごとの合計だけを見たい
  • でも、詳細な月別データも必要に応じて確認したい

このようなケースで、詳細データを折りたたんでおけば、普段は要約だけを見て、必要なときだけ詳細を確認できます。

長い表を見やすくしたいとき

行数の多い在庫リストや顧客リストなどで:

  • カテゴリごとに商品をまとめて管理したい
  • 全体の概要を把握しやすくしたい

といった場面でも、折りたたみ機能が活躍します。

在庫管理表での折りたたみ機能活用例

類似機能との使い分け

Excelには表を見やすくする機能がいくつかありますが、それぞれ適した場面が異なります。

機能名適している場面具体的な使用例
ウインドウ枠の固定常に表示しておきたい項目がある表の見出し行や列を常に表示
セルの非表示完全に隠しておきたいデータがある計算途中の補助列など
折りたたみ機能(アウトライン)必要に応じて表示・非表示を切り替えたい詳細データと要約の使い分け

折りたたみ機能の設定方法

それでは実際に、折りたたみ機能を設定する手順を見ていきましょう。

手順1:折りたたみたい範囲を選択する

まず、折りたたみ機能を適用したい行または列を選択します。

例えば、月別の詳細データを折りたたみたい場合は、該当する月のデータが入っている行を選択します。

ポイント: 複数の行や列を選択するには、以下のいずれかの方法があります。

  • マウスでドラッグして選択する。
  • Ctrlキーを押しながら、選択したい行番号または列番号をクリックして選択する。
Excel折りたたみ機能で範囲選択している画面

手順2:「データ」タブから「グループ化」を選択

選択が完了したら、以下の手順で設定を行います:

  1. 画面上部の「データ」タブをクリック
  2. 「アウトライン」グループの中から「グループ化」ボタンをクリック
  3. 「グループ化」を選択
Excelデータタブのグループ化ボタン位置

手順3:折りたたみボタンの確認

設定が完了すると、選択した行や列の横に「-」(マイナス)ボタンと数字が表示されます。

この「-」ボタンが折りたたみを行うためのボタンです。数字は折りたたみのレベルを表しており、複数段階の折りたたみも可能です。

この「レベル」とは、例えば、年間の売上データを「年」→「四半期」→「月」のように段階的に集計している場合、それぞれの階層ごとに折りたたむことができる、といった意味です。数字が大きくなるほど詳細なレベルを示し、細かく表示・非表示を切り替えることができます。

Excel折りたたみ機能設定後のボタン表示

折りたたみ機能の使い方

行や列を折りたたむ方法

「-」ボタンをクリックすると、設定した行や列が非表示になります。

同時に「-」ボタンが「+」ボタンに変わり、非表示になっている行や列があることを示します。

Excel折りたたみ実行後の画面、プラスボタン表示

折りたたんだ行や列を再表示する方法

「+」ボタンをクリックすると、折りたたまれていた行や列が再び表示されます。

このように、ワンクリックで表示・非表示を簡単に切り替えることができます。

数字ボタンでまとめて操作する方法

複数のグループを作成している場合、画面左上に表示される数字ボタン(1、2、3...)を使って、すべてのグループを一度に操作することも可能です。

  • 「1」をクリック:すべてのグループを折りたたむ
  • 「2」をクリック:すべてのグループを展開する
Excel折りたたみ実行後の画面、数字ボタン表示

ショートカットキーでさらに効率アップ

Excelの操作に慣れてきたら、キーボードショートカットを使うとさらに効率的に作業できます。

  • グループ化: Alt + Shift + →
  • グループ解除: Alt + Shift + ← これらのショートカットキーを覚えることで、マウス操作の手間を省き、スムーズに折りたたみ機能を活用できるようになります。

アウトラインの自動作成機能

手動でグループ化を設定する以外に、Excelには「アウトラインの自動作成」という便利な機能があります。この機能を使えば、表の構造を自動的に判断して、適切な位置に折りたたみ機能を設定してくれます。

自動作成が有効な場面

以下のような表構造の場合、自動作成機能が特に効果的です:

  • 小計や合計を含む表(SUM関数などを使用)
  • 階層構造が明確な表(大分類→中分類→小分類)
  • 定型的なレポート形式の表

自動作成の使い方

  1. 表全体を選択(または表内の任意のセルをクリック)
  2. 「データ」タブの「アウトライン」グループで「自動アウトライン」をクリック

Excelが自動的に表の構造を分析し、適切な位置にグループ化を設定してくれます。

Excel自動アウトライン機能の実行前後比較画面のスクリーンショット
Excelでアウトラインの自動作成機能が適用され、一部の列が折りたたまれて表示されている表のスクリーンショット

自動作成のメリット

  • 時間短縮: 手動で設定する必要がない
  • 設定ミス防止: Excelが適切な位置を自動判断
  • 一括設定: 複雑な表でも一度に設定完了

自動作成の注意点

注意:自動作成機能は表の構造を分析するため、以下の点にご注意ください:

  • 計算式が含まれていない表では効果が薄い場合がある(例: 単純なデータリストなど)
  • 想定と異なる位置にグループが作られることがある(例: 表の途中に空白行や不規則なデータが含まれる場合など)
  • 既存のグループ設定は削除される

期待通りの結果にならない場合は、「データ」タブの「アウトライン」グループにある「グループ解除」の下向き三角をクリックし、「アウトラインのクリア」を選択してください。これにより、現在のグループ設定がすべて解除されます。その後、手動でグループ化を行うか、再度自動作成を試してください。

アウトライン機能を活用するためのデータ準備

アウトライン機能、特に自動作成機能を効果的に使うためには、表のデータの入力方法にも少し工夫があると良いでしょう。例えば、合計行や小計行のすぐ上に、その集計対象となる詳細データを配置するような構造にすると、Excelが階層を認識しやすくなります。データの入力段階から、アウトライン化を意識することで、後からの設定がよりスムーズになります。

データの一貫性も意識しましょう

折りたたみ機能が最大限に効果を発揮するためには、表のデータが一貫して整理されていることが重要です。例えば、同じ種類のデータは同じ列に、集計対象となるデータは特定のパターンで入力する、といった基本的なデータ入力のルールを守ることで、手動でのグループ化も自動作成機能も、より正確に機能します。データの整理は、Excelを効率的に使うための第一歩とも言えます。

折りたたみ機能を解除する方法

設定した折りたたみ機能を解除したい場合は、以下の手順で行います:

  1. 解除したいグループの範囲を選択
  2. 「データ」タブの「グループ解除」をクリック
  3. 「グループ解除」を選択
Excelグループ解除ボタンの位置

注意:折りたたみ状態でグループ解除を行うと、非表示になっていた行や列がそのまま非表示の状態を維持してしまうことがあります。この状態を避けるためには、以下のいずれかの対応が必要です。

  • グループ解除を行う前に、「+」ボタンをクリックして、すべての行や列を表示状態にしておく。
  • グループ解除後に、非表示になっている行や列を選択し、右クリックメニューから「再表示」を選択して表示する。

実践的な活用例

例1:家計簿での活用

月々の支出を項目別に管理している家計簿で、以下のような使い方ができます:

  • 食費の詳細(外食、食材費など)を折りたたみ
  • 光熱費の詳細(電気代、ガス代など)を折りたたみ
  • 普段は大項目の合計のみを表示し、詳細は必要時のみ確認

例2:プロジェクト管理での活用

タスク管理表で、以下のような構造を作れます:

  • 大項目:企画、設計、開発、テスト
  • 各大項目の下に詳細タスクを配置
  • 進捗確認時は大項目のみ、詳細検討時は全体を表示
タスク管理表のスクリーンショット

よくある質問

Q1. 折りたたみ機能を設定しても、ボタンが表示されません

A1. 以下の点を確認してください:

  • 正しい範囲を選択できているか
  • 「データ」タブの「グループ化」を正しくクリックできているか
  • Excelのバージョンが古すぎないか(2010以降で利用可能)

Q2. 複数の行をまとめて折りたたみたいのですが

A2. 複数の行を選択してからグループ化すれば、一度に折りたたむことができます。隣接していない行の場合は、Ctrlキーを押しながら行番号をクリックして選択してください。

Q3. 折りたたみボタンを間違って削除してしまいました

A3. 「データ」タブの「グループ解除」から設定を解除し、再度「グループ化」を設定し直してください。

Q4. 印刷時に折りたたみ状態も反映されますか?

A4. はい、折りたたみ状態のまま印刷すれば、表示されている部分のみが印刷されます。詳細を含めて印刷したい場合は、事前に「+」ボタンですべて展開してから印刷してください。

Q5. 他の人がファイルを開いても折りたたみ機能は使えますか?

A5. はい、折りたたみ機能の設定はファイルに保存されるため、他の人がファイルを開いても同様に使用できます。

まとめ

Excel(エクセル)の折りたたみ機能(アウトライン機能)は、大きな表を効率的に管理するための非常に便利な機能です。この機能を活用することで、以下のようなメリットがあります。

この機能を活用することで:

  • 必要な情報だけを素早く確認できる
  • 表全体の構造を把握しやすくなる
  • データを削除せずに見た目をすっきりさせられる
  • ワンクリックで表示内容を切り替えられる

設定方法も簡単で、「範囲選択」→「データタブ」→「グループ化」の3ステップで完了します。

家計簿やプロジェクト管理、売上分析など、様々な場面で活用できるので、ぜひ実際の業務で試してみてください。

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