【Excel初心者向け】行・列の表示・非表示機能の使い方ガイド

2025年5月28日

Excelの行と列の表示・非表示機能を初心者向けに解説するブログ記事のアイキャッチ画像
目次

はじめに

Excelで作業していると「このデータは必要だけど、見た目をスッキリさせたい」「計算に使うセルを隠したい」と思うことはありませんか。

そんな時に便利なのが、行や列の表示・非表示機能です。この機能を使えば、データを削除することなく一時的に隠すことができます。

この記事では、Excel初心者の方でも簡単に使える行・列の表示・非表示の方法を、スクリーンショット付きで詳しく解説します。

Excelの基本操作がまだ不安な方は、Excel初心者向け記事一覧で基礎から学習することをお勧めします。

行・列の表示・非表示機能とは

行・列の表示・非表示機能とは、Excelのワークシートで特定の行や列を画面上から隠す機能のことです。

隠したデータは削除されるわけではないため、必要な時にいつでも再表示できます。例えば、売上データの計算過程は残しておきたいものの、最終的な資料では見せたくない場合などに重宝します。

この機能が活躍する場面

表示・非表示機能は、以下のような場面で特に有効です:

計算の中間過程を隠したい時 売上計算で使用する税率や手数料などの計算用セルを隠し、最終結果のみを表示する場合

プレゼン資料をスッキリ見せたい時 詳細なデータは残しつつ、相手に見せる部分だけを表示して資料を見やすくする場合

個人情報を一時的に隠したい時 会議で画面を共有する際に、社員番号や個人の詳細情報を隠す場合

Excel画面で行と列の非表示機能を説明する概念図

似た機能との使い分け

Excelには表示・非表示以外にも、データを整理する機能があります。それぞれの特徴を理解して、目的に応じて使い分けましょう。

ウィンドウ枠の固定 ウィンドウ枠の固定は、常に表示しておきたい行や列(項目名など)を画面に固定する機能です。大きな表をスクロールしても、見出し行が常に見える状態を保てます。詳細な使い方については専用記事で解説していますので、併せてご覧ください。

グループ機能(アウトライン) グループ機能は、関連する行や列をまとめて折りたたむ機能です。必要に応じてワンクリックで展開・収納できるため、頻繁に表示・非表示を切り替える場合に適しています。操作方法や具体的な活用例は専用記事で詳しく説明しています。

表示・非表示機能 今回解説する機能は、基本的に隠したままにしておきたいデータに最適です。計算に必要だけれど表示する必要のないセルなどに使用します。

列の表示・非表示の操作方法

列を非表示にする手順

手順1: 非表示にしたい列を選択 非表示にしたい列の列番号(A、B、Cなど)をクリックして選択します。複数の列を非表示にしたい場合は、Ctrlキーを押しながらそれぞれの列番号をクリックします。

Excel画面でB-C列を選択している状態のスクリーンショット

手順2: 右クリックメニューを表示 選択した列番号の上で右クリックします。コンテキストメニューが表示されます。

手順3: 非表示を選択 表示されたメニューから「非表示」をクリックします。

右クリックメニューで非表示オプションが強調表示されているスクリーンショット

手順4: 結果の確認 選択した列が非表示になり、その部分に二重線が表示されます。この二重線が非表示列の目印です。

CD列が非表示になってB列とE列の間に二重線が表示されているスクリーンショット

列を再表示する手順

非表示にした列を再び表示するには、以下の手順を行います。

手順1: 非表示列を含む範囲を選択 非表示列の両隣の列を含めて選択します。例えば、C~D列が非表示の場合は、B列からE列までを選択します。

列番号Bをクリックし、そのままドラッグして列番号Eまで選択します。

B列からE列まで選択されている状態のスクリーンショット

手順2: 右クリックして再表示を選択 選択した範囲で右クリックし、メニューから「再表示」を選択します。

右クリックメニューで再表示オプションが強調表示されているスクリーンショット

手順3: 結果の確認 非表示になっていた列が再び表示されます。

C-D列が再表示されて通常の表示に戻ったスクリーンショット

行の表示・非表示の操作方法

行の表示・非表示も、列と基本的に同じ操作方法です。

行を非表示にする手順

手順1: 非表示にしたい行を選択 非表示にしたい行の行番号(1、2、3など)をクリックして選択します。

Excel画面で3行目を選択している状態のスクリーンショット

手順2: 右クリックして非表示を選択 選択した行番号の上で右クリックし、メニューから「非表示」を選択します。

行の右クリックメニューで非表示オプションが表示されているスクリーンショット

手順3: 結果の確認 選択した行が非表示になり、行番号の間に二重線が表示されます。

3行目が非表示になって2行目と4行目の間に二重線が表示されているスクリーンショット

行を再表示する手順

手順1: 非表示行を含む範囲を選択 非表示行の上下の行を含めて選択します。例えば、3行目が非表示の場合は、2行目から4行目までを選択します。

2行目から4行目まで選択されている状態のスクリーンショット

手順2: 右クリックして再表示を選択 選択した範囲で右クリックし、メニューから「再表示」を選択します。

行の右クリックメニューで再表示オプションが表示されているスクリーンショット

手順3: 結果の確認 非表示になっていた行が再び表示されます。

3行目が再表示されて通常の表示に戻ったスクリーンショット

実践的な使用例

以下のような売上計算表で、計算過程の列を非表示にする例を見てみましょう。

  • A列: 商品名
  • B列: 単価
  • C列: 数量 
  • D列: 小計(B×C)← この列を非表示に
  • E列: 税率(8%など)← この列を非表示に
  • F列: 税額(D×E)← この列を非表示に
  • G列: 合計(D+F)

D~F列を最終的な資料では見せる必要がない場合、F列を非表示にすることで資料をスッキリと見せることができます。

トラブルシューティング

ここでは、行や列の表示・非表示機能を使用する際によくある問題と、その解決方法を説明します。

非表示にした列や行が再表示できない

  • 問題:
    • 非表示にした列や行を再表示しようとしても、元に戻らない。
  • 原因として考えられること:
    • 非表示になっている列や行を含む範囲が、再表示の際に正しく選択されていない。
    • Excelのシート自体が保護されており、編集操作が制限されている。
  • 対処法:
    • 非表示になっている列や行の両隣(上下または左右)の列や行を必ず含めて、少し広めに範囲を選択してから「再表示」を実行してみてください。
    • シートの保護が有効になっているか確認し、もし保護されている場合は一時的に解除してから再度操作をお試しください。シートの保護と解除方法について詳しくは、「Excelのシート保護設定ガイド」をご覧ください。

非表示にしたはずなのに二重線が見つからない

  • 問題:
    • 列や行を非表示にしたはずだが、非表示箇所を示す二重線が見当たらない。
  • 原因として考えられること:
    • 画面の表示倍率(ズームレベル)が小さく、二重線が細かすぎて見えない。
    • 非表示にした列の幅や行の高さが、もともと極端に狭かったり、非表示操作の影響でさらに認識しづらくなったりしている。
  • 対処法:
    • Excelの画面右下にあるズームスライダーを操作するか、Ctrlキーを押しながらマウスホイールを動かして、ズームレベルを上げて画面を拡大してみてください。ズーム機能の詳しい使い方については、「Excel ズーム機能の操作方法」で詳しく解説しています。
    • 隣接する列や行の境界線にマウスカーソルを合わせてみて、カーソルの形が変わる場所(二重線がある場所)を探してみてください。列幅や行高を調整する操作で、隠れた二重線が見えるようになることもあります。

意図しない範囲が非表示になった、または必要な列まで非表示になってしまった

  • 問題:
    • 操作を誤り、隠すつもりのなかった列や行まで非表示にしてしまった。
  • 原因として考えられること:
    • 非表示にする際に、意図しない範囲まで選択してしまっていた。
  • 対処法:
    • 落ち着いて、キーボードのCtrlキーとZキーを同時に押して、直前の操作を取り消してください。 これで、非表示にする前の状態に戻すことができます。
    • もしどの範囲を非表示にしたか分からなくなってしまった場合は、シート全体を選択(CtrlキーとAキーを同時押し、またはシート左上の全選択ボタンをクリック)してから「再表示」を実行すると、全ての非表示になっている列と行が一度に表示されます。 その後、必要な列や行だけを再度非表示にしてください。

よくある質問

Q: 非表示にしたデータは印刷されますか?

A: いいえ、非表示にしたデータは印刷されません。印刷結果にも反映されないため、資料作成時に便利です。

Q: 複数の列や行を一度に非表示にできますか?

A: はい、できます。Ctrlキーを押しながら複数の列や行を選択してから非表示にすることで、一度に複数の列や行を非表示にできます。

Q: 非表示にしたセルを参照する数式は正常に動作しますか?

A: はい、非表示にしてもセルのデータは残っているため、数式は正常に動作します。

Q: すべての非表示列を一度に再表示する方法はありますか?

A: はい、シート全体を選択(Ctrl+A)してから右クリックし、「再表示」を選択すると、すべての非表示列・行が一度に再表示されます。

Q: グループ機能と非表示機能の違いは何ですか?

A: グループ機能は「+」「-」ボタンで簡単に表示・非表示を切り替えられる機能です。頻繁に切り替える場合はグループ機能、基本的に隠しておきたい場合は非表示機能が適しています。

まとめ

Excelの行・列表示・非表示機能は、データを整理し見やすい資料を作成するための重要な機能です。

この記事で学んだポイントを振り返ってみましょう:

データを削除せずに一時的に隠すことができるため、元のデータを保持しながら見た目を整えられます。列の場合は列番号を、行の場合は行番号を選択してから右クリックで操作します。再表示する際は、非表示部分を含む範囲を選択してから右クリックで「再表示」を選択します。

計算の中間過程や個人情報など、必要だけれど表示したくないデータの管理に活用しましょう。

この機能を上手に活用することで、より見やすいExcel資料を作成できるようになります。まずは簡単なデータから練習して、徐々に実際の業務に活用してみてください。

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