Excel セル範囲を指定列で並び替える(SORT関数)
SORT関数は2019年に実装されたスピルの関連関数で、表を並び替える関数です。
機能として存在するデータの並び替えの関数版に近い働きをします。
ここではSORT関数の使い方と既存機能(データの並び替え)、
同時期に実装されたSORTBY関数との比較を紹介します。
仕様
=SORT(配列,並び替えインデックス,並び替え順序,並び替え基準)
引数 | 省略時の値 | 説明 |
---|---|---|
配列 | 省略不可 | 並び替える範囲を指定。 |
並び替えインデックス | 1 | 並び替える基準とする列・行を 先頭を1とした数値で指定。 |
並び替え順序 | 1 | 並び替え順序を指定 ・ 1…昇順 ・-1…降順 |
並び替え基準 | FALSE | 並び替えの方向を指定 ・列(横)方向 ・行(縦)方向 |
使用例
引数1:配列
SORT関数を入力すると、引数1に指定したセル範囲が並び替えられた結果が表示されます。
数式を入力したセル以外にも関数が自動拡大されますが、
この部分はゴーストと呼ばれるセルで編集不可能です。
配列のみを指定すると先頭列の昇順で並び替えられます。

引数2:並び替えインデックス
引数2には並び替えの基準とする列・行を先頭を1とした数値で指定します。
省略すると1(先頭行)になります。

引数3:並び替え順序
引数3に1を指定すると昇順、-1を指定すると降順になります。
省略すると1(昇順)です。

引数4:並び替え基準
引数4にFALSEを指定すると行(縦)方向、
TRUEを指定すると列(横)方向に並び替えます。

他の機能との比較
SORTBY関数
比較点 | SORT関数 | SORTBY関数 |
---|---|---|
並び替えの基準 | × 1列のみ | 〇 1~126列 |
列の指定 | × 数値 | 〇 列範囲 |
並び替えの方向 | 〇 行(縦)・列(横)切替可能 | × 行(縦)方向のみ |
SORT関数が有利な点は並び替えの方向を切り替えられることだけですが、
横方向に並び替えることはかなりレアケースなので
ほぼ利点になっていないと思われます。
よってSORTBY関数を使用し方向を変えたい場合は
コピー&ペーストで行列を入れ替えるほうが現実的でしょう。
既存機能(並び替え)
従来、データの並び替えを行う場合はデータの並び替えだけが選択肢でしたが、
そこにSORT関数が追加されました。
データの並び替えはデータを更新した場合に、
ルーチンワークでは毎回、範囲や並び替え基準を設定する手間が発生しますが、
SORT関数によって解消が見込めます。(並び替え基準が一つの場合は)
逆に非定型作業ではこれまで通り、データの並び替えを使う方が効率的です。
項目 | 並び替え | SORT関数 |
---|---|---|
ルーチンワーク | × 毎回、手作業で設定が必要。 | 〇 数式を作成すれば流用可能。 |
並び替えの基準 | 〇 複数列が可能 | × 一つの列のみ可能 |
非定型業務 | 〇 調査業務など様々な条件で並び替える場合に向く。 | × 数式を作り変える必要があるため、様々な条件で並び替えたい場合には劣る。 |
他の関数との組み合わせ
FILTER関数
FILTER関数の結果を引数1に指定することで、
その結果を並び替えることが可能です。
VSTACK関数・HSTACK関数
VSTACK関数・HSTACK関数で複数の範囲を対象にすることが可能です。

Excelを効率的に習得したい方へ
当サイトの情報を電子書籍用に読み易く整理したコンテンツを
買い切り950円またはKindle Unlimited (読み放題) で提供中です。

Word-A4サイズ:1,400ページの情報量で
(実際のページ数はデバイスで変わります)
基本的な使い方、関数の解説(140種類)、
頻出テクニックと実用例(109種類)、
XLOOKUP関数、LET関数、シートビュー、LAMBDA関数、スピルなど便利な新機能を紹介。
体系的に学びたい方は是非ご検討ください。
アップデートなどの更新事項があれば随時反映しています。
なお購入後に最新版をダウンロードするには
Amazonへの問い合わせが必要です。