Excel 複数のセル範囲を結合(VSTACK・HSTACK)

2023年1月19日

English version.

VSTACK関数とHSTACK関数は2022年9月にMicrosoft365(Office365)のExcelに追加された新機能で

複数のセル範囲を結合する関数です。

VSTACK関数は行方向、HSTACK関数は列方向に結合します。

単独での利用ケースは少ないですが、複雑な数式を活用する人には強力な関数です。

仕様

=VSTACK(array1, array2,~arrayN)

=HSTACK(array1, array2,~arrayN)

引数省略時の値説明
array1~省略不可対象のセル範囲を指定します。
引数の詳細

使い方

基本的には二つ以上のセル範囲を引数に指定します。

行/列の個数が合わない箇所は#N/Aエラーになります。

列全体を指定して結合したい場合

この手の数式を作る場合は、データ範囲が不定であることが多く、

列全体を指定したいことがあります。

しかし、そのまま列を指定するとExcelを超えた行数になるため、

結果が#NUM!エラーになってしまいます。

名前の管理で有効な行だけにする数式を登録します。

「新規作成」をクリックします、

名前に任意の関数名、参照範囲に次の数式を指定します。

=LAMBDA(指定範囲,LET(中間範囲,HSTACK(BYROW(指定範囲,LAMBDA(行,COUNTA(行))),指定範囲),MAP(DROP(FILTER(中間範囲,CHOOSECOLS(中間範囲,1)>0),,1),LAMBDA(セル,IF(セル="","",セル)))))

指定の関数名で利用することが可能になります。(例では有効行)

=VSTACK(有効行(E:G),有効行(I:K),有効行(M:O))

ヘッダー行がある場合は、DROPでヘッダーの行数を削除します。

=VSTACK(DROP(有効行(E:G),1),DROP(有効行(I:K),1),DROP(有効行(M:O),1))

この方法は後述の他の関数と組み合わせる場合にも有効です。

この範囲はLETで名前と付けると扱いやすくなります。

=LET(対象範囲,VSTACK(DROP(有効行(E:G),1),DROP(有効行(I:K),1),DROP(有効行(M:O),1)),ROWS(対象範囲))

また数式のセルに#を付けても範囲全体を指定する数式になります。

他の関数と組み合わせた利用例

この関数を単独で利用するケースは少なく、

他の関数と組み合わせることが多いでしょう。

基本的には検索/行列関数と組み合わせることになります。

SORT関数やSORTBY関数で複数範囲をまとめて並べ替える

SORT関数SORTBY関数と組み合わせると

複数の範囲を統合して並び替えることが可能です。

SORT関数

SORTBY関数数の場合、並び替え基準列をセル範囲で指定します。

LET関数で並び替え範囲をVSTACK関数で別名にした上で

(数式が重複してもいいならLET関数なしでも可)、

CHOOSECOLS関数で列を数値指定にすることも可能です。

LET関数を利用する方が手間が少なく読み易い数式になります。

XLOOKUP・VLOOKUP関数で複数範囲から検索

XLOOKUP関数で複数のセル範囲から検索することも可能です。

LET関数で範囲をVSTACK関数で別名にした上で

(数式が重複してもいいならLET関数なしでも可)、

CHOOSECOLS関数で列を数値指定にすることも可能です。

LET関数を利用する方が手間が少なく読み易い数式になります。

VLOOKUP関数HLOOKUP関数でもVSTACK関数で複数の検索範囲を統合可能です。

UNIQUE関数で複数範囲の重複を除外

UNIQUE関数と組みあわせると複数範囲を一気に重複除外可能です。

FILETER関数で複数範囲から検索

FILTER関数で複数の検索範囲から検索することも可能です。

LET関数で範囲をVSTACK関数で別名にした上で

(数式が重複してもいいならLET関数なしでも可)、

CHOOSECOLS関数で列を数値指定にすることも可能です。

LET関数を利用する方が手間が少なく読み易い数式になります。

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