Power Automate DesktopによるWebフォーム自動入力:ブラウザー操作の基本と手順を徹底解説
業務でのWebフォームへの反復的なデータ入力作業は、時間の浪費と人的ミスのリスクを伴う非効率な業務プロセスです。
Power Automate Desktopを活用することで、これらの作業を自動化し、業務効率を大幅に改善することが可能です。
本記事では、ブラウザー拡張機能の導入から各フォーム部品(テキストボックス、ドロップダウン、ラジオボタン、チェックボックス)への入力、ボタンクリック、ブラウザー終了までの基本操作を網羅的に解説します。
事務職や経理担当者など、エンジニア以外のビジネスパーソンでも実践できる内容となっています。
Power Automate DesktopとWebブラウザー操作の準備
拡張機能のインストールと初期設定
Power Automate Desktopでブラウザー操作を実行するには、事前に拡張機能のインストールが必要です。
Internet Explorerを除く主要ブラウザー(Microsoft Edge、Google Chrome、Firefox)では、この設定が必須となります。
拡張機能のインストール後、操作対象となるWebページを事前に開いておきます。
今回のサンプルでは、テスト用フォームを使用します。
このフォームは実際の登録機能はなく、空メールが管理人に送信されるだけの安全な環境です。

Webフォームの各部品を自動入力する手順
ブラウザーを起動する
- 「ブラウザー自動化」から「新しい Microsoft Edge を起動する」をドラッグします(別のブラウザーを利用する場合は別のアクションを選択します)
- 「初期 URL」にアクセス先のURL(https://blog-tips.sekenkodqx.jp/2019/09/25/uipath-test00004/)を入力します
- 「保存」をクリックします
生成された変数「Browser」は、起動したブラウザーを示します。
この変数は後続のアクションでブラウザーインスタンスを指定する際に使用します。


テキストボックスに文字列を入力する
テキストボックス(今回は「お名前」欄)への自動入力手順です。

- 「ブラウザー自動化」の「Web フォーム入力」から「Web ページ内のテキスト フィールドに入力する」をドラッグします
- 「Webブラウザーインスタンス」に先ほど生成した変数「Browser」を指定します
- 「UI 要素」の「新しいUI要素の追加」をクリックします
- 表示されたウィンドウの状態で、ブラウザーの操作対象テキストボックスにマウスカーソルを合わせます
- 赤い枠線が表示されたら、Ctrlキーを押しながらクリックします
- 「完了」をクリックしてUI要素を確定します
- 「テキスト」に自動入力したい文字列を設定し、「保存」をクリックします
重要な注意点: UI要素は指定に失敗する場合があるため、アクション追加の度にフローを実行してテストすることを推奨します。





ドロップダウンリストから項目を選択する
都道府県選択などのドロップダウンリスト操作手順です。

- 「Web フォーム入力」から「Web ページでドロップダウンリストの値を設定します」をドラッグします
- 「Webブラウザーインスタンス」に変数「Browser」を指定します
- テキストボックスと同様の手順でUI要素を追加します
- 「操作」を「名前を使ってオプションを選択します」に設定します
- 「オプション名」に選択したい項目名(例:東京都)を入力し、「保存」をクリックします



ラジオボタンを選択する
性別選択などのラジオボタン操作手順です。

- 「Web フォーム入力」から「Web ページでラジオボタンを選択します」をドラッグします
- 「Webブラウザーインスタンス」に変数「Browser」を指定します
- 選択したいラジオボタンにフォーカスを合わせ、Ctrlキーを押しながらクリックしてUI要素を追加します
- 設定を確認し「保存」をクリックします
実運用での注意: ラジオボタンは選択肢ごとに個別のアクションが必要です。複数の選択肢がある場合は、IfやSwitchアクションで条件分岐を実装します。



チェックボックスの状態を設定する
メールマガジン送信希望などのチェックボックス操作手順です。

- 「Web フォーム入力」から「Web ページでチェックボックスの状態を設定します」をドラッグします
- 「Webブラウザーインスタンス」に変数「Browser」を指定します
- 対象のチェックボックスにUI要素を設定します
- 「チェックボックスの状態」でオン/オフを選択し、「保存」をクリックします



ボタンをクリックして送信する
フォーム送信ボタンのクリック操作手順です。

- 「Web フォーム入力」から「Web ページのボタンを押します」をドラッグします
- 「Webブラウザーインスタンス」に変数「Browser」を指定します
- 送信ボタンにUI要素を設定し、「保存」をクリックします



ブラウザーを自動で閉じる
処理完了後のブラウザー終了手順です。
- 「ブラウザー自動化」から「Web ブラウザーを閉じる」をドラッグします
- 「Webブラウザーインスタンス」に変数「Browser」を指定します
- 「保存」をクリックします
画面を残したい場合は省略可能ですが、一般的には自動終了が推奨されます。


フローの実行
フローを実行して自動入力をテストする
作成したフローを段階的に実行し、各アクションが正常に動作することを確認します。
UI要素の指定が適切でない場合は、再度要素の取得から実行してください。

本自動化フローの応用と可能性
Excel以外のデータソースとの連携の可能性
Power Automate DesktopはExcelファイルとの連携が強力ですが、CSVファイル、データベース、Webサービスからのデータ取得も可能です。
これにより、様々なデータソースから情報を取得してWebフォームに自動入力するワークフローを構築できます。
なお、ExcelとPower Automate Desktopを組み合わせたWebフォーム入力の詳細については、こちらの記事で解説しています。
より複雑なWebページの自動化
基本操作をマスターした後は、以下のような高度な自動化に挑戦できます:
- テキストファイルの操作
- エラーハンドリングとリトライ機能の実装
- 条件分岐による柔軟な処理フロー
- ChatGPTを活用したメール仕分け、ニュース自動収集
これらの技術により、単純な作業の効率化から複雑な業務プロセスの自動化まで、幅広い活用が期待できます。
Power Automate Desktopは、技術的な専門知識がない方でも段階的に学習できるツールであり、継続的な業務効率向上を支援します。
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