Excel オートフィルやコピーに強いセル指定の方法(OFFSET関数とROW・COLMUN関数の組み合わせ)

2021年11月6日

OFFSET関数ROW・COLMUN関数の組み合わせで

通常のオートフィルコピーでは正常に動作しないケースを解決できます。

サンプルファイル

使用例

数式と参照先で行列の向きが異なる

例えば数式は縦方向にコピーしたいが参照先は横方向に移動する場合に有効です。

B3~5は同じ数式を単純にコピーしています。

セル色は関数と参照先の対応を示しています。

数式と参照先で行列の向きが異なる例

OFFSET関数の引数を下記のように指定します。

引数設定値
参照基準セルとして$D$3を指定しています。関数の参照先の最初のセルです。
行数この例では関数の参照先は同じ行から始めるため0で固定しています。
列数この例では関数が下に行くと、参照先が右にずれます。
ROW関数で関数セルの現在行数を出し、
始点の関数セルの高さである3を引いています。
高さこの例では常に3行を集計対象としているので3固定です。
この例では常に1列を集計対象としているので1固定です。

参照先に一定の間隔がある

この例では下段に月毎の事業別の売上と目標と、

その差額があり上段には売上のみを全事業で合計しています。

SUMIF系が適用できるように作れれば、その方がスマートなのですが、

そうもいかないケースでは力を発揮します。

参照先に一定の間隔がある例

OFFSET関数の引数を下記のように指定します。

引数設定値
参照基準セルとして$C9を指定しています。関数の参照先の最初のセルです。
行数この例では関数の参照先は同じ行から始めるため0で固定しています。
列数この例では関数が右に行くと、参照先が右に3セルずれます。
ROW関数で関数セルの現在行数を出し、
始点の関数セルの行数である3を引いています。
更に参照先は3づつ動くため、3を掛け算します。
高さこの例では常に3行を集計対象としているので3固定です。
この例では常に1列を集計対象としているので1固定です。
(例では省略していますが)

注意点

関数が複雑に絡み合うため、数式の読みやすさは確実に落ちます。

またシートの構成変更には普段の関数より弱いです。

この方法は定期的にコピーが必要な場合や地道に手作業でシートを作るのが

煩雑なシートの場合に絞りましょう。

Excel完全マスター: 関数・テクニック・新機能を網羅した決定版ガイド

本書は、Excelの基礎から応用まで、包括的に学べるガイドブックです。当サイトの豊富な情報を、電子書籍向けに最適化し、読みやすく再構成しました。

【本書の特徴】

  • 情報量:Word-A4サイズ換算で1,400ページ相当
  • 基本操作から高度なテクニックまで、段階的に学習可能
  • 140種類の関数を詳細に解説
  • 109種類の実用的なテクニックと具体例を紹介
  • 最新機能(XLOOKUP関数、LET関数、シートビュー、LAMBDA関数、スピル等)を徹底解説

【対象読者】

  • Excel初心者からプロフェッショナルまで
  • 体系的にExcelスキルを向上させたい方
  • 業務効率化を目指すビジネスパーソン
  • データ分析や可視化のスキルを磨きたい方

【本書の強み】

  • 実務に即した例題と解説
  • 視覚的な図表やスクリーンショットで理解を促進
  • 最新のExcelバージョンに対応した内容
  • 著者の長年の経験に基づく、実践的なTipsを多数収録

【更新とサポート】

  • 常に最新の情報を反映するため、定期的に内容を更新
  • 最新版の入手方法:Amazonカスタマーサポートへお問い合わせください

【入手方法】

  • 買い切り:950円
  • Kindle Unlimited:読み放題プランで利用可能

Excelマスターを目指す方、業務効率を劇的に向上させたい方に、自信を持っておすすめできる一冊です。この1冊で、Excelの可能性を最大限に引き出す力が身につきます。

関連記事

使用した機能の詳細

基準セルからの距離、高さと幅を指定してセルの内容を取得(OFFSET関数)

セルの列と行の位置を取得(ROW関数とCOLUMN関数)

セルの相対参照と絶対参照の違いと使い方

数式がずれないようにコピー(オートフィル)する方法