【Excel初心者向け】VLOOKUP関数の使い方を完全解説|書式・使い方・エラー対策・XLOOKUPとの違いも紹介
パソコン作業で表データを扱うとき、「いちいち別の表を見ながら入力するのが面倒…」と感じたことはありませんか?ExcelのVLOOKUP関数を使えば、そんな面倒な作業が一瞬で終わります!
この記事では、Excel初心者の方でも簡単に使えるVLOOKUP関数の基本から実践まで、わかりやすく解説します。事務作業の効率がグッと上がる便利なスキルを、ぜひマスターしてください。

基本編
VLOOKUP関数とは?
VLOOKUP関数は、表の中から特定の情報を自動で探し出して表示してくれるExcelの便利な機能です。例えば、商品コードを入力するだけで、その商品の名前や価格を自動表示できます。
日常業務での活用例
- 商品コードから商品名や価格を自動表示
- 社員番号から社員名や部署を自動検索
- 顧客IDから顧客情報を瞬時に表示
- 郵便番号から住所を自動入力
VLOOKUP関数の使い方:基本編
基本の書式
=VLOOKUP(
検索したい値
,
検索する表全体
,
表示したい列の番号
, FALSE)
一見難しそうに見えますが、実際は4つの情報を順番に入れるだけと簡単です。
実際の例で理解しよう
次のような商品表があるとします:

この表を使って、商品コードから商品名と価格を自動表示するVLOOKUP関数を作ります。
手順1: F2セルに商品コードを入力します(例:「S003」)
手順2: G2セルに次の関数を入力します
=VLOOKUP(F2, B3:D7, 2, FALSE)
手順3: H2セルには次の関数を入力します
=VLOOKUP(F2, B3:D7, 3, FALSE)
これで、F2に入力した商品コードに対応する商品名がG2に、価格がH2に自動表示されます!

VLOOKUP関数の4つの引数を理解しよう
① 検索値(何を探すか)
検索したい値です。上の例では「S003」のような商品コードになります。

ポイント:
- セル参照(F2など)を使うと、そのセルに入力した値を検索できます
- 直接「"S003"」のように入力することも可能です
- 検索値を変更するだけで、結果も自動的に変わります
② 範囲(どこから探すか)
検索する表全体を指定します。

ポイント:
- 必ず検索したい値(商品コード)がある列を一番左に含めてください
- 表示したい情報(商品名や価格)の列も必ず含めてください
- 例:
B3:D7
は、B列からD列、3行目から7行目の範囲を意味します
③ 列番号(何を表示するか)
検索結果として表示したい情報が、範囲内の何列目にあるかを指定します。

ポイント:
- 範囲の一番左の列を「1」として数えます
- 例:
B3:D7
の範囲では、B列が「1」、C列が「2」、D列が「3」となります - 商品名を表示したい場合は「2」、価格を表示したい場合は「3」を指定します
④ 検索の型(どう探すか)
検索方法を指定します。初心者の方は、ほとんどの場合「FALSE」(完全一致検索)を使います。

ポイント:
FALSE
:入力した値と完全に一致するものだけを検索します(推奨)TRUE
:完全一致がない場合、近い値を返します(並べ替えが必要で初心者には複雑です)- 省略するとTRUEになるので、初心者は必ずFALSEと入力しましょう
TRUEは近似一致検索です。郵便番号の先頭一致で住所候補を返すような場合に利用します。TRUE使用時は検索列を必ず昇順(小さい値から大きい値へ)に並べ替える必要があり、そうしないと誤った結果になります。
応用編
よくあるエラーと対処法
「#N/A」エラーが表示される場合
検索した値が見つからない場合に表示されるエラーです。
エラー表示があると、それをもとにした集計や分析が正しく動作しなくなり、見た目も悪くなります。特に上司や顧客に見せる資料では、エラー表示を適切に処理しておくことが大切です
対処法:
=IFERROR(VLOOKUP(F2, B3:D7, 2, FALSE), "該当なし")
この書き方をすると、検索値が見つからない場合に「該当なし」と表示されます。
「#REF!」エラーが表示される場合
指定した列番号が範囲内に存在しない場合に表示されるエラーです。
対処法:
- 列番号は、範囲の左端を「1」として数えます
- 範囲(2つ目の引数)に表示したい列が含まれているか確認してください
検索結果が違う値になる場合
近似一致検索(TRUE)を使っている可能性があります。
対処法:
- 4つ目の引数に「FALSE」を指定して完全一致検索に変更しましょう
- 検索値と表内の値が完全に一致しているか確認してください(半角・全角、スペースなど)
実践テクニック:VLOOKUP関数を便利に使うコツ
複数列の情報を取得する
商品コードを入力するだけで、商品名と価格を同時に表示できます。

商品名を取得:=VLOOKUP(F2, B3:D7, 2, FALSE)
価格を取得:=VLOOKUP(F2, B3:D7, 3, FALSE)
参照を固定して数式をコピーする
複数の行に同じ関数を使いたい場合、$(ドル記号)を使って参照を固定すると便利です。
=VLOOKUP(F2, $B$3:$D$7, 2, FALSE)
この書き方なら、関数を下方向にコピーしても正しく動作します。


新しいExcelならスピル機能も活用しよう
Excel 2019以降やMicrosoft 365(旧Office 365)のExcelでは、新しい『スピル機能』が使えるようになり、一度の入力で複数セルに結果を表示できるようになりました。
G3セルにのみ次の関数を入力します:
=VLOOKUP(F3:F5, B3:D7, 2, FALSE)
これだけで、G3からG5まで自動的に結果が表示されます!

よくある質問
Q: VLOOKUP関数は大文字と小文字を区別しますか?
A: いいえ、VLOOKUP関数は標準では大文字と小文字を区別しません。「ABC」でも「abc」でも同じ結果になります💡
大文字小文字を区別して検索したい場合は、他の関数と組み合わせて使う方法があります
Q: 左側の列を検索することはできますか?
A: 残念ながら、VLOOKUP関数では検索したい値が必ず一番左の列にある必要があります。左側の列を検索したい場合は、INDEX関数とMATCH関数の組み合わせか、Excel 2019以降ならXLOOKUP関数を使ってみてください💡
Q: 複数の検索結果を表示できますか?
A: VLOOKUP関数単体では、一致する最初の値しか返しません。複数の結果を表示したい場合は、FILTER関数(Excel 2019以降)を使うと便利です💡
Q: 表が更新されても検索結果は自動更新されますか?
A: はい、表のデータが変更されると、VLOOKUP関数の結果も自動的に更新されます。これがExcel関数の便利なところです💡
XLOOKUP関数とは?
Excel 2019以降では、VLOOKUP関数の進化版であるXLOOKUP関数が使えるようになりました。
XLOOKUP関数のメリット:
- 検索対象が左でも右でも指定できる
- エラー時の表示を簡単に設定できる
- より柔軟な検索方法を選べる
- 複数の列を同時に返せる
新しいバージョンのExcelをお使いの方は、ぜひXLOOKUP関数も試してみてください。ただし、古いバージョンのExcelとファイルを共有する場合は、VLOOKUP関数を使った方が安全です。
まとめ:VLOOKUP関数マスターへの道
VLOOKUP関数をマスターすれば、以下のようなメリットがあります:
- データ入力の時間を大幅に短縮できる
- 入力ミスを減らせる
- 複雑な表でも必要な情報をすぐに見つけられる
- Excel作業の効率が格段に上がる
最初は複雑に感じるかもしれませんが、基本の4つの引数を理解して少し練習すれば、誰でも使いこなせるようになります。ぜひ自分の仕事に役立ててみてください!
Excel関数のスキルアップにご興味があれば、ぜひ当サイトの他の記事もチェックしてみてください。
Excel完全マスター: 関数・テクニック・新機能を網羅した決定版ガイド

本書は、Excelの基礎から応用まで、包括的に学べるガイドブックです。当サイトの豊富な情報を、電子書籍向けに最適化し、読みやすく再構成しました。
【本書の特徴】
- 情報量:Word-A4サイズ換算で1,400ページ相当
- 基本操作から高度なテクニックまで、段階的に学習可能
- 140種類の関数を詳細に解説
- 109種類の実用的なテクニックと具体例を紹介
- 最新機能(XLOOKUP関数、LET関数、シートビュー、LAMBDA関数、スピル等)を徹底解説
【対象読者】
- Excel初心者からプロフェッショナルまで
- 体系的にExcelスキルを向上させたい方
- 業務効率化を目指すビジネスパーソン
- データ分析や可視化のスキルを磨きたい方
【本書の強み】
- 実務に即した例題と解説
- 視覚的な図表やスクリーンショットで理解を促進
- 最新のExcelバージョンに対応した内容
- 著者の長年の経験に基づく、実践的なTipsを多数収録
【更新とサポート】
- 常に最新の情報を反映するため、定期的に内容を更新
- 最新版の入手方法:Amazonカスタマーサポートへお問い合わせください
【入手方法】
- 買い切り:950円
- Kindle Unlimited:読み放題プランで利用可能
Excelマスターを目指す方、業務効率を劇的に向上させたい方に、自信を持っておすすめできる一冊です。この1冊で、Excelの可能性を最大限に引き出す力が身につきます。