【Excel初心者向け】VLOOKUP関数の使い方を完全解説|書式・使い方・エラー対策・XLOOKUPとの違いも紹介

2025年4月24日

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パソコン作業で表データを扱うとき、「いちいち別の表を見ながら入力するのが面倒…」と感じたことはありませんか?ExcelのVLOOKUP関数を使えば、そんな面倒な作業が一瞬で終わります!

この記事では、Excel初心者の方でも簡単に使えるVLOOKUP関数の基本から実践まで、わかりやすく解説します。事務作業の効率がグッと上がる便利なスキルを、ぜひマスターしてください。

基本編

VLOOKUP関数とは?

VLOOKUP関数は、表の中から特定の情報を自動で探し出して表示してくれるExcelの便利な機能です。例えば、商品コードを入力するだけで、その商品の名前や価格を自動表示できます。

日常業務での活用例

  • 商品コードから商品名や価格を自動表示
  • 社員番号から社員名や部署を自動検索
  • 顧客IDから顧客情報を瞬時に表示
  • 郵便番号から住所を自動入力

VLOOKUP関数の使い方:基本編

基本の書式

=VLOOKUP(検索したい値, 検索する表全体, 表示したい列の番号, FALSE)

一見難しそうに見えますが、実際は4つの情報を順番に入れるだけと簡単です。

実際の例で理解しよう

次のような商品表があるとします:

商品表
商品表

この表を使って、商品コードから商品名と価格を自動表示するVLOOKUP関数を作ります。

手順1: F2セルに商品コードを入力します(例:「S003」)

手順2: G2セルに次の関数を入力します

=VLOOKUP(F2, B3:D7, 2, FALSE)

手順3: H2セルには次の関数を入力します

=VLOOKUP(F2, B3:D7, 3, FALSE)

これで、F2に入力した商品コードに対応する商品名がG2に、価格がH2に自動表示されます!

F2に入力した商品コードに対応する商品名がG2に、価格がH2に自動表示

VLOOKUP関数の4つの引数を理解しよう

① 検索値(何を探すか)

検索したい値です。上の例では「S003」のような商品コードになります。

引数:検索値(何を探すか)
引数:検索値(何を探すか)

ポイント

  • セル参照(F2など)を使うと、そのセルに入力した値を検索できます
  • 直接「"S003"」のように入力することも可能です
  • 検索値を変更するだけで、結果も自動的に変わります

② 範囲(どこから探すか)

検索する表全体を指定します。

引数:範囲(どこから探すか)
引数:範囲(どこから探すか)

ポイント

  • 必ず検索したい値(商品コード)がある列を一番左に含めてください
  • 表示したい情報(商品名や価格)の列も必ず含めてください
  • 例:B3:D7は、B列からD列、3行目から7行目の範囲を意味します

③ 列番号(何を表示するか)

検索結果として表示したい情報が、範囲内の何列目にあるかを指定します。

引数:列番号(何を表示するか)
引数:列番号(何を表示するか)

ポイント

  • 範囲の一番左の列を「1」として数えます
  • 例:B3:D7の範囲では、B列が「1」、C列が「2」、D列が「3」となります
  • 商品名を表示したい場合は「2」、価格を表示したい場合は「3」を指定します

④ 検索の型(どう探すか)

検索方法を指定します。初心者の方は、ほとんどの場合「FALSE」(完全一致検索)を使います。

引数:検索の型(どう探すか)
引数:検索の型(どう探すか)

ポイント

  • FALSE:入力した値と完全に一致するものだけを検索します(推奨)
  • TRUE:完全一致がない場合、近い値を返します(並べ替えが必要で初心者には複雑です)
  • 省略するとTRUEになるので、初心者は必ずFALSEと入力しましょう

TRUEは近似一致検索です。郵便番号の先頭一致で住所候補を返すような場合に利用します。TRUE使用時は検索列を必ず昇順(小さい値から大きい値へ)に並べ替える必要があり、そうしないと誤った結果になります。

応用編

よくあるエラーと対処法

「#N/A」エラーが表示される場合

検索した値が見つからない場合に表示されるエラーです。

エラー表示があると、それをもとにした集計や分析が正しく動作しなくなり、見た目も悪くなります。特に上司や顧客に見せる資料では、エラー表示を適切に処理しておくことが大切です

対処法

=IFERROR(VLOOKUP(F2, B3:D7, 2, FALSE), "該当なし")

この書き方をすると、検索値が見つからない場合に「該当なし」と表示されます。

「#REF!」エラーが表示される場合

指定した列番号が範囲内に存在しない場合に表示されるエラーです。

対処法

  • 列番号は、範囲の左端を「1」として数えます
  • 範囲(2つ目の引数)に表示したい列が含まれているか確認してください

検索結果が違う値になる場合

近似一致検索(TRUE)を使っている可能性があります。

対処法

  • 4つ目の引数に「FALSE」を指定して完全一致検索に変更しましょう
  • 検索値と表内の値が完全に一致しているか確認してください(半角・全角、スペースなど)

実践テクニック:VLOOKUP関数を便利に使うコツ

複数列の情報を取得する

商品コードを入力するだけで、商品名と価格を同時に表示できます。

商品名を取得=VLOOKUP(F2, B3:D7, 2, FALSE)
価格を取得=VLOOKUP(F2, B3:D7, 3, FALSE)

より高度な応用編

参照を固定して数式をコピーする

複数の行に同じ関数を使いたい場合、$(ドル記号)を使って参照を固定すると便利です。

=VLOOKUP(F2, $B$3:$D$7, 2, FALSE)

この書き方なら、関数を下方向にコピーしても正しく動作します。

より高度な応用編

新しいExcelならスピル機能も活用しよう

Excel 2019以降やMicrosoft 365(旧Office 365)のExcelでは、新しい『スピル機能』が使えるようになり、一度の入力で複数セルに結果を表示できるようになりました。

G3セルにのみ次の関数を入力します:

=VLOOKUP(F3:F5, B3:D7, 2, FALSE)

これだけで、G3からG5まで自動的に結果が表示されます!

よくある質問

Q: VLOOKUP関数は大文字と小文字を区別しますか?

A: いいえ、VLOOKUP関数は標準では大文字と小文字を区別しません。「ABC」でも「abc」でも同じ結果になります💡

大文字小文字を区別して検索したい場合は、他の関数と組み合わせて使う方法があります

詳細な対処方法

Q: 左側の列を検索することはできますか?

A: 残念ながら、VLOOKUP関数では検索したい値が必ず一番左の列にある必要があります。左側の列を検索したい場合は、INDEX関数とMATCH関数の組み合わせか、Excel 2019以降ならXLOOKUP関数を使ってみてください💡

詳細な対処方法

Q: 複数の検索結果を表示できますか?

A: VLOOKUP関数単体では、一致する最初の値しか返しません。複数の結果を表示したい場合は、FILTER関数(Excel 2019以降)を使うと便利です💡

詳細な対処方法

Q: 表が更新されても検索結果は自動更新されますか?

A: はい、表のデータが変更されると、VLOOKUP関数の結果も自動的に更新されます。これがExcel関数の便利なところです💡

XLOOKUP関数とは?

Excel 2019以降では、VLOOKUP関数の進化版であるXLOOKUP関数が使えるようになりました。

XLOOKUP関数のメリット

  • 検索対象が左でも右でも指定できる
  • エラー時の表示を簡単に設定できる
  • より柔軟な検索方法を選べる
  • 複数の列を同時に返せる

新しいバージョンのExcelをお使いの方は、ぜひXLOOKUP関数も試してみてください。ただし、古いバージョンのExcelとファイルを共有する場合は、VLOOKUP関数を使った方が安全です。

まとめ:VLOOKUP関数マスターへの道

VLOOKUP関数をマスターすれば、以下のようなメリットがあります:

  • データ入力の時間を大幅に短縮できる
  • 入力ミスを減らせる
  • 複雑な表でも必要な情報をすぐに見つけられる
  • Excel作業の効率が格段に上がる

最初は複雑に感じるかもしれませんが、基本の4つの引数を理解して少し練習すれば、誰でも使いこなせるようになります。ぜひ自分の仕事に役立ててみてください!

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