【Excel初心者向け】基本集計関数SUM, AVERAGE, COUNT, MAX, MINの使い方を解説

2025年5月3日

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目次

はじめに

Excelのデータ集計で時間を取られていませんか?関数を使えば、合計や平均などを一瞬で計算できます。

この記事では、事務作業で頻繁に使う5つの基本集計関数(合計・平均・個数・最大・最小)の使い方を、画像付きでわかりやすく解説します。この記事を読めば、明日からすぐに職場でExcelの基本関数を活用できるようになります。

初心者でも使える!基本の集計関数5つ

日常業務でよく使う基本的な集計関数は、主に以下の5つです。これらの関数は、営業成績の集計や経費精算、在庫管理など、さまざまな場面で活躍します。

関数名日本語の意味何ができるのか?使用例
SUM合計数値の合計を求める月間売上の合計、経費の総額
AVERAGE平均数値の平均値を求める平均点数、平均販売単価
COUNT個数数値が入力されているセルの数を数えるデータ数のカウント、数値データの確認
MAX最大最も大きい数値を見つける最高売上、最高気温
MIN最小最も小さい数値を見つける最低価格、最小値の特定

初めて関数を使う方でも心配ありません。これらの関数は、Excelの基本機能として非常によく使われるものですので、ぜひマスターしましょう。

集計関数の基本的な書き方

Excelの関数は、必ず「=(イコール)」から始まります。集計関数の一般的な書式は次のとおりです。

=関数名(集計したいセル範囲)

例えば、A1からA5までのセルの合計を求めるには:

=SUM(A1:A5)

このように書きます。A1:A5という表記は「A1からA5までのセル範囲」を意味します。

コロン(:)は『〜から〜まで』という意味です

Excel初心者が最初に覚えるべき基本集計関数5つ

SUM関数 - データの合計を求める

SUM関数は、指定した範囲の数値を全て足し合わせる関数です。

基本的な使い方

=SUM(集計したいセル範囲)

具体例: 月間の売上データがA1からA31のセルに入力されている場合、月間合計を求めるには:

=SUM(A1:A31)

と入力します。

AVERAGE関数 - 平均値を求める

AVERAGE関数は、指定した範囲の数値の平均値を計算します。

基本的な使い方

=AVERAGE(集計したいセル範囲)

具体例: テストの点数が入力されたB2からB31のセルの平均点を求めるには:

=AVERAGE(B2:B31)

と入力します。

COUNT関数 - 数値データの個数を数える

COUNT関数は、指定した範囲内で数値が入力されているセルの個数をカウントします。

基本的な使い方

=COUNT(集計したいセル範囲)

具体例: C列のC1からC100までのセルで、数値が入力されているセルの個数を調べるには:

=COUNT(C1:C100)

と入力します。

MAX関数 - 最大値を見つける

MAX関数は、指定した範囲内の最も大きい数値を返します。

基本的な使い方

=MAX(集計したいセル範囲)

具体例: D1からD20までのセルに入力された販売数量の中で、最大値を見つけるには:

=MAX(D1:D20)

と入力します。

MIN関数 - 最小値を見つける

MIN関数は、指定した範囲内の最も小さい数値を返します。

基本的な使い方

=MIN(集計したいセル範囲)

具体例: E1からE20までのセルに入力された商品価格の中で、最安値を見つけるには:

=MIN(E1:E20)

と入力します。

簡単!マウスで操作する関数の入力方法

関数はキーボードから直接入力することもできますが、初心者の方はExcelのボタンとマウス操作で簡単に入力することをおすすめします。

Σボタンを使った関数の入力方法

  1. 関数の結果を表示させたいセルをクリックします
  2. リボンメニューの「ホーム」タブを選択します
  3. 「編集」グループにある「Σ」(オートSUM)ボタンをクリックします

自動的にSUM関数が入力され、関数に使うセル範囲が自動選択されます。

Excelのホームタブにある「Σボタン」を使った関数入力の3つのステップを示す図解
  1. 選択されたセル範囲が正しいか確認します
  2. 範囲を修正したい場合は、マウスでドラッグして調整できます
  3. Enterキーを押して確定します

他の関数を使いたい場合

Σボタンの横の▼マークをクリックすると、よく使う関数一覧が表示されます。ここから「平均」「最大値」「最小値」などを選択できます。

よく使う関数一覧

便利な関数の入力例(画像で解説)

以下の例では、月間売上データを使って集計関数を使う方法を解説します。

例:月間売上データの集計

販売データが入力されたシートがあるとして、以下の集計を行います。

  1. 月間売上の合計を求める(SUM関数)
  2. 平均日販を求める(AVERAGE関数)
  3. 営業日数を確認する(COUNT関数)
  4. 最高売上日を見つける(MAX関数)
  5. 最低売上日を見つける(MIN関数)
間売上データに対してSUM、AVERAGE、COUNT、MAX、MIN関数を適用した集計例のExcel画面

数値以外も扱える「A付き関数」

基本の集計関数を使っていて、「なぜかうまく計算できない」ということがあるかもしれません。そんなときは「A付き関数」を試してみましょう。

通常の関数名の末尾に「A」を付けた関数は、数値以外(文字列や日付、論理値など)も処理の対象にできる便利な関数です。

通常の関数A付き関数違い
COUNTCOUNTA数値だけでなく、空白以外の全てのセル(文字列や日付なども)を数えます
AVERAGEAVERAGEA文字列や論理値も含めて平均を計算します
MAXMAXA文字列や論理値も含めて最大値を求めます
MINMINA文字列や論理値も含めて最小値を求めます

COUNTとCOUNTAの違い

例えば、A列に「100」「200」「大阪」「東京」「500」というデータがある場合:

  • COUNT(A1:A5)は「3」を返します(数値の「100」「200」「500」だけを数える)
  • COUNTA(A1:A5)は「5」を返します(数値も文字列も全て数える)

実務では特にCOUNTA関数が役立つ場面が多いです。例えば顧客リストの総数を確認する場合など、文字列(氏名など)や日付を含むデータの数を数えたいときに便利です。

COUNTとCOUNTAの違い

ステップアップ (応用編)

複数シートをまたいだ集計(3-D集計)

基本的な集計関数をマスターしたら、複数シートのデータを一度に集計する「3-D集計」にもチャレンジしてみましょう。

詳細はシートをまたぐ集計の方法(3-D集計)をご覧ください。

コピーしても参照がズレない式の作り方 (絶対参照・相対参照)

式をコピーしたときに参照先を固定したい場合は絶対参照を使います。これは特に計算式を横や縦に展開するときに役立ちます。

詳細はシートを相対参照と絶対参照をご覧ください。

よくあるエラーと対処法

集計関数を使っているとき、以下のようなエラーが表示されることがあります。

  • #DIV/0! - ゼロで割ろうとしている(例:空のセル範囲でAVERAGE関数を使った)
  • #VALUE! - 数値以外のデータを数値として扱おうとしている
  • #NAME? - 関数名のスペルミスや存在しない関数名を入力している

エラーが出たら、まずは式の入力が正しいか、適切なセル範囲を指定しているかを確認しましょう。

よくある質問

Q1: 合計したいセルが連続していない場合はどうすればいいですか?

A: カンマ(,)で区切って複数の範囲を指定できます。例えば:

=SUM(A1:A5,C1:C5,E1:E5)

Q2: COUNT関数で文字列も数えたいのですが、できますか?

A: COUNT関数では数値しか数えられません。文字列も含めて数えたい場合は、COUNTA関数を使いましょう。

=COUNTA(A1:A10)

Q3: 条件を満たすデータだけを集計することはできますか?

A: 可能です。「SUMIF」「COUNTIF」などの条件付き集計関数を使います。これらの関数については別記事で詳しく解説しています。

Q4: 最大値や最小値の位置(セル)を知ることはできますか?

A: MATCH関数とMAX/MIN関数を組み合わせることで可能です。例えば:

=MATCH(MAX(A1:A10),A1:A10,0)

これによりA1:A10の範囲で最大値がある位置(何番目か)がわかります。

Q5: グラフを作る前に、データの概要を把握するにはどの関数が便利ですか?

A: SUM、AVERAGE、MAX、MIN、COUNTの5つの基本関数を使えば、データの全体像をつかむことができます。これらの結果をもとにどんなグラフが適切か判断できるようになります。詳しくは「データ分析入門:基本関数からグラフ作成まで解説」をご覧ください。

まとめ:基本集計関数で事務作業を効率化しよう

この記事では、Excel初心者でも使いこなせる5つの基本集計関数について解説しました。

  • SUM関数:データの合計を求める
  • AVERAGE関数:平均値を計算する
  • COUNT関数:数値データの個数を数える
  • MAX関数:最大値を見つける
  • MIN関数:最小値を見つける

これらの関数を使いこなせるようになれば、日々の業務効率が格段に上がります。最初は慣れないかもしれませんが、実際に使ってみることで徐々に身についていきます。

関数を入力するときは、Σボタンを活用すれば簡単に操作できます。また、「A付き関数」も状況に応じて使い分けることで、より柔軟なデータ処理が可能になります。

さらに関数について学びたい方は、「関数の仕様と使い方の記事一覧」や「初心者向け記事まとめ」もぜひご覧ください。

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