Excel 指定文字を基準にテキストをセルに分割(TEXTSPLIT)
TEXTSPLIT関数は2022年9月にMicrosoft365(Office365)のExcelに追加された新機能です。
主にCSVなどをセル分割するために利用する関数です。
この関数が実装される以前は
IFERROR関数、MID関数、FIND関数、SUBSTITUTE関数、LEN関数を併用した複雑な数式か、
テキストファイルウィザード、(状況次第ではこちらの方が良いですが)
またはユーザ定義関数(マクロ・VBA)を利用する必要がありましたが、
TEXTSPLIT関数で簡単な数式によって実現できるようになりました。

仕様
=TEXTSPLIT(text,col_delimiter,row_delimiter,ignore_empty, match_mode, pad_with)
引数 | 省略時の値 | 説明 |
---|---|---|
text | 省略不可 | 分割対象のテキストを指定します。 |
col_delimiter | 省略不可 | 分割する基準の文字を指定します。 2文字以上でも構いません。 この指定は列方向にセル分割します。 |
row_delimiter | なし | 分割する基準の文字を指定します。 2文字以上でも構いません。 この指定は行方向(改行)に分割します。 |
ignore_empty | FALSE | 空の要素が発生する場合、それを無視するかを指定します。 ・FALSE:無視しません。(空のセルを作成します) ・TRUE:無視します(空のセルを作成しません)。 |
match_mode | 0 | 英字の大文字・小文字を区別するかを指定します。 ・0:区別します。 ・1:区別しません。 |
pad_with | #N/A | 分割結果の存在しないセルの値を指定します。 |
使い方
基本的には1つ目の引数に分割対象のテキスト、
2つ目の引数に分割する基準の文字を指定します。
結果はスピルになります。

2つ目の引数は2文字以上でも構いません。

引数3:row_delimiter
3つ目の引数には行方向に分割(改行)する基準の文字を指定します。

無指定にしたい場合
改行文字なしに引数4以降を指定したい場合は、
カンマを続けて入力します。(引数3には何も指定しない)

最終行がエラーになる場合の対処
textの末尾に改行用の文字がある場合、最後にエラー行が出来てしまいます。

これに対処するには4つめの引数にTRUEを指定します。

またはDROP関数で最終行(-1)を削除します。
=DROP(TEXTSPLIT関数,-1)

どちらの方法が良いかは分割するテキストによって異なるため、
両方を試して良い方を選択しましょう。
(通常の範囲で空のセルが存在する場合、ignore_emptyでは不都合な場合あり)
引数4:ignore_empty
4つ目の引数には空の要素が発生する(区切り文字が連続で発生)場合、
それを無視するか(空のセルを作成しない)を指定します。
省略やFALSEでは無視せず空のセルを作成します。(実用上はこちらの方が多い)

TRUEを指定すると無視して空のセルを作成しません。
この指定は行・列共に有効です。

引数5:match_mode
5つ目の引数には大文字・小文字を区別するかを指定します。
0か省略で区別して分割します。

1を指定すると区別せずに分割します。

引数6:pad_with
行と列の分割を指定し、行の列数が異なる場合、
そのセルが#N/Aエラーで埋められます。(セル色黄色部分)

引数6には、その場合に埋める値を指定することが可能です。

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