Excel 複数の条件に一致するセルの中の最大値を取得(MAXIFS関数)

2024年3月28日

English version.

複数の条件を満たすセルの中で、最大の値を表示する関数でMAX関数の拡張版関数です。

COUNTIFS関数などとは違い単独条件の関数(MAXIF)は存在しません。

(IFSがあればIFは不要と判断された模様)

Excel2016より前のバージョンではこの関数は存在せず、

またMAXIF関数もないためIF関数を使用した中間セルを作るか

配列数式を使用する必要があります。

仕様

=MAXIFS(最大範囲,条件範囲1,検索条件1 …省略… 条件範囲127,検索条件127 )
引数省略時の値説明
最大範囲省略不可集計対象となるセル範囲を指定。
最大範囲内で数値以外のセルは対象外。
条件範囲1~1271のみ省略不可条件の評価対象とするセルを指定。
条件1~1271のみ省略不可集計対象に含める条件を指定。
各引数の詳細

使用例

例えば商品の中で特定のカテゴリであり、かつセール対象となっている中で

最大の売上金額を取得するような用途に使用することが出来ます。

またセール対象且つ特定の単価以上の最大売上金額といった

大小比較が条件となる場合にも使用可能です。

集計元表

下記の表を参照するMAXIFS関数を例示します。

集計元表
集計元表

特定の文字列に一致する中での最大値を取得する例

C列の種類に一致する、かつセール対象の中で最大の売上金額を

集計元表から検索し取得する例です。

D列がMAXIFS関数を使った結果です。

結果表
結果表

MAXIFS関数に下記のようにセル指定します。

引数設定例
最大範囲集計元表の金額のセル範囲 (絶対参照)
条件範囲1集計元表の種類のセル範囲 (絶対参照)
条件1結果表の種類のセル (D16ではC16)
条件範囲2集計元表のセール対象のセル範囲(絶対参照)
条件2"●"

条件範囲1~2と最大範囲はコピーで位置が変わっても参照先の一覧表は変わらないため、

コピーしても固定されるよう絶対参照で指定します。

今回は完全一致させていますが、ワイルドカードを用いて部分一致させることも可能です。

数値の閾値を設定して最大値を取得する例

特定の単価以上で且つセール対象の中で最大の売上金額を取得する例です。

D列がMAXIFS関数を使った結果です。

結果表
結果表

条件に比較演算子を指定して、特定数値以上や以下などの条件を設定することが可能です。

ここの例では1行目は単価200円以上のセール対象の最大金額、

2行目は単価300円以上のセール対象の最大金額を出しています。

なお比較演算子は"(ダブルコーテーション)で囲み、文字列として扱う必要があります。

&(アンパサンド)は文字列連結演算子です。

D21の「">="&C21」は結果として">=200"と処理されます。

スピルを利用する方法とメリット

Office365やExcel2019以降ではスピルという形式で記述可能です。

これは複数セルに数式をコピーする場合に便利な機能です。

スピルの利用には条件を複数セルの範囲で指定します。

スピルでMAXIFS関数を記述する例(E16セル)
スピルでMAXIFS関数を記述する例(E16セル)

数式を入力するのは最初の一つのセルですが、

引数2と4で指定した高さ分、数式がセルのコピーなしで自動拡大されます。

E16に指定したMAXIFS関数がE19まで自動拡大
E16に指定したMAXIFS関数がE19まで自動拡大

スピルを利用することで今回の例では、

E16セルに入力するだけでよいため(E17以降にコピーペーストが不要)

以下のメリットがあります。

  • 入力の手間が少ない(数式のセルが多いほど効果が大きい)
  • 数式を編集した時、コピー忘れのリスクがない(最初のセルを更新すると全セルに反映)
  • 絶対参照が不要
  • 途中に行を追加した場合、数式のコピー&ペーストが不要。行削除でも壊れにくい。

またBYCOLBYROWを使用するとスピルになります。

=BYROW(A1:C3,LAMBDA(r,MAXIFS(r,r,">=4",r,"<=7")))
行方向のスピル
=BYCOL(A1:C3,LAMBDA(c,MAXIFS(c,c,">=4",c,"<=7")))
列方向のスピル

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